インターンシップは重要だと思っているものの、具体的にどのような点が重要なのかわかっていないインターン生は多いです。せっかく参加するからには、意味のある時間にしたいと考えていると思います。就職活動中の限られた時間を有意義に過ごすには、インターンシップに参加する目的を考えて行動することが非常に大切です。インターンシップにはどういった目的があるのでしょうか。業界別に考えてみましょう。

総合商社

 総合商社は基本的にはインターンシップへの参加によって、どれくらいの熱意を持って志望しているのかを確認しています。つまり、参加することが評価にも繋がるということです。インターンシップでのプログラム内容がそこまで難しいものでなかったとしても、参加しているかいないかがその後の本選考にも大きく影響を与えるのです。総合商社では、ギリギリになってなんとなくエントリーシートを出した就活生とインターンシップにも参加して早い段階から志望している就活生では、後者を評価するということになります。

 こういった総合商社は、インターンシップの選考ではエントリーシートが重視されている場合が多いです。人気な業界のため、参加希望者もかなりの人数になります。本選考のためにもなんとしても参加したいところです。

 そして、志望している熱意を見るためにインターンシップを行うのが主な目的ですが、特に優秀な学生はインターンシップの段階で引き抜きがある場合も存在します。早い段階で内定を手に入れている学生はインターンシップ参加者がほとんどのようです。総合商社からの内定が欲しいという就活生は、ぜひとも精一杯インターンシップを頑張ってください。

外資系

 外資系コンサルティングや外資系メーカー、外資系金融等といった外資系の企業ではインターンシップは非常に重要な意味合いを持っています。そういった企業のインターンシップは、ジョブと呼んでいる採用担当者もおり、本選考に大きく影響します。むしろ、本選考の中に含まれていると表現した方が良いかもしれません。

 外資系の企業では、面接での自己アピールや自己分析が本当に正しいのかを見られます。そのため、インターンシップとして就活生に就業体験をさせ、そこで面接での言葉が本当のものなのかを確認します。面接で積極性をアピールしたのにも拘らず、就業体験ではあまり積極性を出せなかった場合は厳しくなってしまうということです。他の業界のように、インターンシップで学んだことをその後の面接でアピールする、という流れとは逆なので注意しましょう。

 外資系はインターンシップの内容も実践的なものが多いです。外資系コンサルティングファームの場合は、有名企業の売上向上のための経営戦略を検討を行う等が考えられます。そういった難しい就業体験の中でいかに自分をアピールするのか考えてみてください。事前にできる限りの勉強や準備を行うことが求められます。 

大手メーカー

 メーカー企業は、自社製品について知ってもらい、それが生まれるまでの業務を説明するプログラムが多く見られます。製品の具体的な特徴や他社には無い魅力、どのような過程を経て完成するのかを学ぶのです。

 そのような就業内容で、企業側はどのようなことを目的としているのでしょうか。例えば、ただそのメーカーの製品のファンであるだけでなく、その製品を良くするための様々なポイントを見つけることができる学生を探す目的があります。

 メーカーにインターンシップに行く場合は、知っている製品だけではなくその企業の様々な製品について入念に調べて自分の考えを持っておきましょう。単なるファンでは終わらない深い洞察があれば、企業側も高く評価してくれます。洞察が苦手という方は、まずは他の企業の他社製品と比較をするところから始めるのがおすすめです。比べることで単体で見ていても気が付かなかったことに目を向けられるかもしれません。

広告系

 広告業界は、インターンシップでは一般的な就活生と特に優秀な就活生を分ける目的を持ってプログラムを行っています。広告系の企業では幅広い社員が活躍しています。クリエイティブな方々ばかりで業務を行っていると思いがちですが、他にもコミュニケーション能力が抜群に高い方や論理的に計算できる頭の良さがある方等の多くのタイプの方が会社にはいます。
 したがって、広告会社では強い独自のキャラクター性がある就活生が有利になると言えるでしょう。そのような方を企業側は探したいと考えています。インターンシップでは自分の魅力を強く押し出すことが大切です。自分の魅力がそんなにないのではないかと不安な方は、まず落ち着いて自己分析してみてください。自分の得意なことや不得意なことが全てが同じ点数ではないはずです。一番点数の高い長所を、思いっきりアピールできる方法を考えてみましょう。

金融系

 銀行や保険業界などの金融関係は、詳しい業界知識を持っていない就活生が多いです。したがって、企業側はとにかく企業のことや業界のことを知ってほしいと考えています。インターンシップでは、就活生たちにそのような知識を与える目的でプログラムが組まれていることが多いです。インターンシップで実際に就業体験をしてもらうことで、業界に関心を持ってもらうことが狙いです。それによって、本選考まで目指す学生も増やしたいのでしょう。
 そのような目的のインターンシップで、既に興味を持っていて知識もあった場合どうなるでしょうか。きっと、採用担当者はとても注目するはずです。例えば簿記や会計の基本的な勉強をしておけば、就業体験の際にも他の就活生と差をつけることができます。内定を手に入れたい場合は、しっかりと勉強をして臨みましょう。

IT系

 IT系の企業では、長期インターンシップのプログラムを設けられていることがよくあります。この目的は、正式に採用する前に試しに働いてもらおうという試用期間の要素が強いです。インターンシップという名前ではありますが、アルバイトのように就業し、正社員として雇うことでどのように活躍するのかを評価されます。短期インターンシップでは企業への関心を深めてもらうためという目的が強いです。
 したがって、インターン生の参加目的としては、長期インターンシップの場合は自分のスキルをアピールすることです。正社員として雇われても役に立つことを知ってもらいましょう。短期インターンシップの場合は、既にとても関心を抱いていることをいかにアピールできるかがポイントとなります。企業研究や業界研究を行ってから参加しましょう。


全業界のインターンシップの目的

 企業側の目的は、優秀な就活生を早い段階で見つけ出すことです。インターン生側の目的は、自己アピールを適切にして本選考までに評価を高めることでしょう。インターンシップで優秀だと認めてもらえた場合、その後の選考で良い流れを作れることはよくあります。気楽に参加してみようという気持ちも良いですが、せっかく参加するからには内定に近づけるように考えて頑張ってみましょう。