グループディスカッションは企業の新卒採用の選考方法としてよく利用されるもので、就活を行う学生であればほとんどの人が受けることになるでしょう。一般的にグループディスカッションでは3〜10名程の学生がチームとなり1つのテーマについて議論し、その選考のなかで結論を導き出して発表するようなものとなります。


企業からすれば一度に多くの学生を選考することが可能ですので、書類選考後の次のフェーズとしてGD選考が行われることが多いです。

面接とは違い、チームで議論して進めるため慣れていないとうまくいかないかもしれません。

そこで今回はグループディスカッションの対策やコツ、評価されるポイント、練習方法などを紹介します。



目次

・グループディスカッションの対策のまえに

グループディスカッションで出題されるテーマを知る

グループディスカッションの種類を知る

グループディスカッションの評価ポイントを知る

・グループディスカッションのコツ

議論の進め方

思考法やフレームワークを使う


・[種類別] グループディスカッションのテーマ例と対策

抽象的・自由形

課題解決型

資料分析型

ディベート型

フェルミ推定


・グループディスカッションが苦手という方へ


・グループディスカッションの練習方法

就活仲間と練習する

就活セミナーに参加する


・グループディスカッションの対策に役立つ本



グループディスカッションの対策のまえに

グループディスカッションで出題されるテーマを知る

まずは過去実際に出題されたテーマを業界別に見てみましょう。



【過去に出題されたグループディスカッションのテーマ】


・SNSが普及する昨今、SNSを用いて若者に投資を広めるにはどうすれば良いか

・もし、1つだけ超能力が手に入るとしたら?

・2030年の30代に求められるスキルはなにか

・現代のモノを何か1つ江戸時代に持って行けるとしたら、何が良いか

・都内のマンションの空室率を下げるには?

・フィットネススタジオの売り上げを上げるためにはどのような企画をしたらいいか

・ニートの数を減らす作戦を考えよ

・「缶詰」のキャッチコピーを20個考えよ

・違法駐車を減らすには?

・年賀状の売り上げ枚数を増やすには?

・20代男女に向けて、誕生日やクリスマスに次ぐ新しい習慣を考えよ

・1日何人の人が渋谷駅を利用すると思うか?


業界別にグループディスカッションのテーマをまとめた記事 もあるので読んでみてくださいね。




グループディスカッションの種類を知る


実はグループディスカッションで出題されるテーマは大きく以下5つのタイプに分けられます。このタイプによって対策や思考法、議論の進め方、評価ポイントが違うことがあるので覚えておきましょう。


1. 抽象的・自由型

2. 課題解決型

3. 資料分析型

4. ディベート型

5. フェルミ推定




グループディスカッションの評価ポイントを知る


グループディスカッションで企業の面接官はなにを評価しているのでしょうか?グループディスカッションはチームで行う選考形式でまた課題について議論し進めていくものです。

そのためチームで働くうえで必要な「積極性」「協調性」「リーダーシップ」などの能力、そして議論を進めるうえで必要な「論理的思考力」「仮説構築力」などの能力が評価ポイントとなります。


「積極性」「リーダーシップ」を評価されたいからとリーダー役に立候補するのは良いことですが、1人でチーム内の意見を聞かずに勝手に進めていってしまうのはNGです。

またGDではタイムキーパーや書紀を担当することが人気になってしまいがちですが、担当が割り振られていないから落ちるということはありません。

むしろ担当を持っているにも関わらず、その役目を果たせていない方がマイナスです。担当を得たことが評価されるのではなく、議論に貢献することが評価ポイントとなります。


また複数人で議論をしていると白熱してしまいがちですが、筋道立ててチームとして最終的に1つの方向・結論にもっていくことを意識するのが良いでしょう。



グループディスカッションのコツ

議論の進め方・流れ



1.役割(司会、書紀、タイムキーパーなど)を決める

2.時間配分を決める

3.テーマの前提や条件を擦り合わせる

4.アイデアの出し合い / 議論を交わす

5.意見・アイデアの整理

6.チームとしての結論を出す



ディスカッションを進める上で重要なのが、3つ目の「前提や条件の確認・擦り合わせ」を行うことです。

たとえば「良い社会とは?」というざっくりとした抽象的な課題が与えられたとしましょう。この場合、”良い” の定義はひとによって違います。誰にとっての ”良い” と考えるかも人それぞれです。まずチームで “良い” の定義をしてから取り組むのが望ましいです。

資料分析型のディスカッションでも資料の内容・読み取ったことを擦り合わせしてから進めていくのが良いでしょう。


また前提を決めておくことで議論が拡散してしまった、逸れてしまった際、そこに戻ることができます。議論を進めていくなかで「そもそも」が抜けた議論をしてしまうことはよくあります。前提から筋道立てて結論を出すようにしましょう。


思考法やフレームワークを使う

① 5W1H

抽象・自由型や課題解決型のグループディスカッションで利用しやすいのが5W1Hと呼ばれるフレームワークです。

5W1HはWho(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)を指します。

抽象的・自由型のテーマであれば、前提条件を決める際にこれら5W1Hの要素のなかから必要なものを検討するとよいでしょう。たとえば先程の「良い社会とは?」の場合であれば、誰にとって(Who)良いかやどのように(How)良いかを定義するなどです。


課題解決型で「フィットネススタジオの売り上げを上げるためにはどのような企画をしたらいいか」というテーマの場合、その企画をいつ(When)だれに向けて(Who)なにを(What)どうやって(How)まで落とすことができるとよいでしょう。

5W1Hはマーケティングのフレームワークですのでこのようなテーマとは相性が良くなります。


② ロジックツリー

5w1H以外にもロジックツリーという思考法がグループディスカッションには用いやすいです。物事をツリー状に要素分解することで問題発見や要因特定を行うことができます。



要素を分解する際には、MECEにして要素が漏れなくダブらないようにします。

このロジックツリーは課題解説型やフェルミ推定に用いやすく、「〇〇の売上を2倍にするには?」といった課題解決型のテーマがあった場合に、売上の構成要素を分解してどの部分を伸ばすかを検討していくことができます。




[種類別] グループディスカッションのテーマ例と対策

1.抽象的・自由型

抽象的・自由型のテーマ事例

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・良い社会とは何か?          

・世界No.1の企業とはどんな企業か   

・東京オリンピックを成功させるには何が必要か   

・AIによってわれわれの生活はどう変わるか   

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抽象的・自由型の対策法


抽象的・自由型のグループディスカッションでは まずチーム内で定義を決めることが重要 になってきます。

抽象的なものをそのまま議論しても人それぞれ別の価値観を持つため、うまくひとつの方向に議論をまとめていくことが困難です。5W1Hのようなフレームワークを利用して定義を決めてから進めましょう。



2.課題解決型

課題解決型のテーマ事例

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・コンビニの売り上げを2倍にするには?          

・地球温暖化を解決するには?   

・社員の満足度を上げるためには?   

・パワハラをなくすにはどうすればよいか?   

・満員電車を減らすには?   

・若者の物欲を高めるにはどうすればよいか?   

・貧困をなくすためにはどうすればよいか?   

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課題解決型の対策法


課題解決型のグループディスカッションでも抽象的な課題を与えられることが多いです。まずはその課題の要因を探り、分解してより具体的な課題にすることが必要です。

たとえば「コンビニの売り上げを2倍にするには?」というテーマの場合、売上をあげる = 顧客単価をあげる or 客数を増やす ということが考えられます。

そうすると見えてきた課題は「顧客単価をどう上げるか?」「客数をどう増やすか?」というものになり、そこについての議論を進めていくことができます。


3.資料分析型

資料分析型のテーマ事例

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・資料からA大学の入学者を増やす対策を考えよ   

・資料を読んで会社の業績改善方法を考えなさい   

・資料を読んで顧客のニーズを探してください

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資料分析型の対策法


資料分析型では課題解決型とは違い、資料に具体的なデータが記されているため、その数字をもとに議論を進めなければなりません。資料から現状の分析を行い、要因の特定、解決策の立案を行っていきます。   

そのためここで評価されるのは分析力や論理的思考力、仮説構築力などの能力となります。   

課題解決型の場合と違って、根拠がない(=データがない)意見を言うことはNGです。いくら説得力がありそうな意見でもデータにもとづいていないと評価されません。   

また資料分析型はデータに基づいた議論を求められているからこそ、「正解」がある場合も考えられるので結論の妥当性が重視されるケースもあります。



4.ディベート型

ディベート型のテーマ事例

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・コンビニの24時間営業はあるべきか?   

・就職活動の早期化に賛成か、反対か   

・サマータイムを導入すべきか?   

・学校に制服は必要かどうか?   

・タバコとお酒どちらかの税をあげるなら?   

・企業にとって大切なのは人材か資金か?   

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ディベート型の対策法


ディベート形式のテーマの場合、自分の本当の意見がどうかは別に賛成・反対の立場を振り分けられ、その立場から討論していきます。そのため視野を広くもち、自分の本当の意見とは逆の立場からでも積極的に意見しなければいけません。   

ディベートは討論ですので相手の意見の欠点を突いて論破したり、相手からの指摘を先回りして切り返しを対策しておくことが重要です。討論していくと互いの主張の言い合いでヒートアップしやすくなりますが、あくまでも目的は意見を交わすことで議論を活性化させ、一つの結論に導いていくこととなります。



5.フェルミ推定

フェルミ推定のテーマ事例

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・日本にあるマンホールの数はいくつ?          

・バスの中にゴルフボールはいくつ入る?   

・20年後の日本の転職市場規模は?   

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フェルミ推定の対策法


フェルミ推定とは実際には調査が難しい予測できない数値を論理的に概算することを言います。そのため選考でも正しい答えを出すことが求められているわけではありません。答えが合っているかよりもそれを導き出そうとするプロセスの論理性が重要となります。   

      

推定を行うためまずは要素を分解していきます。

たとえば「国内で利用されるシャンプーの年間利用量」を求める場合、国内年間シャンプー利用量 = 世帯数 × 1世帯あたりのシャンプー使用量となるはずです。   

1世帯あたりのシャンプー使用量は、1世帯あたりの年間シャンプー利用本数 × シャンプー1本あたりの量となります。

このように要素を分解をしていき、最終的にそれぞれ要素に数値を代入して答えを導き出します。   

数値は自分が知っている数値を代入するしかないため、日本の人口や世帯数など最低限のものは覚えておくのが良いでしょう。

要素分解を行うには上述したロジックツリーをもちいるのが良いですね。



グループディスカッションが苦手という方へ

グループディスカッションが苦手、なかなか受からない、発言できないという人もいるかと思います。先に申し上げたようにグループディスカッションではチームで働くうえでの「協調性」や「リーダーシップ」などといったコミュニケーション能力と、議論するうえで必要になる「論理的思考力」を採用担当者は見ていると考えていいでしょう。

そのため発言をしない、できないということは採用担当者が判断できないということになってしまいますので絶対にNGです。


自分の意見を言えるのがベストですが、はじめのうちは難しいかもしれません。そういう際はチームであがった意見に賛同し、「わたしも〇〇だと思います。なぜなら△△だからです。」とその意見にプラスして自分なりの理由をつけてみましょう。

この時にあげる理由はオリジナルなものであることが理想です。なぜならそのオリジナルな理由が何かを決める、議論を進めるうえでのひとつの判断軸となり、議論に貢献できたことになるからです。


またメリット・デメリットを考えることも大事です。ビジネスをしていくうえでも物事を判断する際にはメリット、デメリットを検討します。グループディスカッションのなかでもそういった場面に出くわすと思いますが、この際にきちんとメリットとデメリットを出しきれていないと最終的な結論に影響してきます。「こういうデメリットがある」など意見することもその議論に貢献したことになるので評価されやすいでしょう。



グループディスカッションの練習方法

就活仲間と練習する


グループディスカッションに強くなるには場数を踏むしかありません。可能であれば就活を終えた先輩や社会人、ディベート大会などに出場している学生と模擬ディスカッションを行うのが良いでしょう。論理的に思考し、ディスカッションを進めていくにはどうすればいいかを参考にできるはずです。



就活セミナーに参加する


就活イベントの1つに就活セミナーというものがあります。企業が自社の説明・PRをする合同説明会や企業説明会とは違って、就活セミナーはグループディスカッションや面接など選考の対策を行う講座のことをいいます。

就活エージェントやキャリアセンターが主催していることが多く、また無料で開催されているものもあるため一度足を運んでみてはいかがでしょうか。


弊社でもグループディスカッション対策講座を無料で開催しています!!   


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◆[無料] グループディスカッション対策講座◆

  

こんな方にオススメ!   

・難関企業への選考突破を目指す方     

・グループディスカッションで求められる本質的な力を知りたい方   

・本選考に向け、自分の改善ポイントを明確にしたい方   



主な内容

当日は種類別にグループディスカッションを複数回行いながら、フィードバックや解説の中で下記の内容に触れていきます。   

      

・グループディスカッションの種類別(抽象型・課題解決型・資料読み取り型)に考え方や発言のポイント   

・求められるパフォーマンスについて   

・人事担当者や総合商社内定者、人材トップ企業内定者メンターによる評価基準に基づいた個別フィードバック     

etc...



お申し込み方法

こちらよりグループディスカッション対策講座に申し込めます


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(おまけ)グループディスカッションの対策に役立つ本


①ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル



ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル


ロジカルシンキングの名著。

「ピラミッドストラクチャー」や「MECE」「So What?/Why So?」など基本的な思考法について学ぶことができます。ロジカルシンキング、論理的思考力をこれから高めていきたいという初心者向けのものとなっています。




②問題解決プロフェッショナル 思考と技術



問題解決プロフェッショナル 思考と技術


「ゼロベース思考」「仮説思考」「MECE(ミッシー)」「ロジックツリー」など問題解決の基本的な考え方がまとめられています。著者は経営コンサル出身ですが、ビジネスマンであれば誰もが抑えておくべき能力となっているので要チェックです。