合同説明会(合説)には行く意味はないのか?

様々な企業がブースを設置して行われる合同説明会。就活を終えた先輩から「合説は行かなくていい」「時間の無駄」「合説は意味がない」なんて話を聞いたことがありませんか?
そんな話を聞いていると、本当に行く意味ってないの?と感じるもの。有名企業や優良企業がたくさん参加していて、毎年ニュースになるほど就活生が行っているイベントなのに、自分は行かなくていいのだろうかと心配になったりもしますよね。なんとなく行くだけなら、参加する意味やメリットはあまり感じられないでしょう。
ただ、目的を持って参加すれば得られるものがあるはずです。自分の知らない企業と出会うきっかけになったり、企業の人と直接話すチャンスだってあったりします。

詳しい説明に入る前に、合同説明会とは何かをおさらいしておきましょう。
いわゆる「合説」と呼ばれるもので、就職情報サイトのリクナビやマイナビ、各新聞社などが主催している就活生向けのイベントです。企業が数社集まる規模のものもあれば、数百社が参加して数万人の就活生が集まる大きなイベントまであります。会場には企業ごとにブースが設置され、学生に向けて会社説明や先輩社員による仕事紹介などが行われています。ほかにも、人気企業の人事や経営者による講演、就活支援のプロによるエントリーシート・面接の対策講座などが開かれています。学生はその中から自分で選択して、興味のある企業のブースで説明を聞いたり、講演を聞いたりするのが合同説明会です。

合同説明会に行くメリット・デメリットとは

・合同説明会に行くメリット

合説に行く意味があるのかを考えるために、まずは参加するメリットについてご紹介します。

第一に、複数の企業からその日にまとめて話を聞けるという点が挙げられます。
通常、説明会は企業が単体で行うものなので、その会社まで行って一社分の話を聞くことができるのみです。その点合説では、話を聞いてみたい企業があれば回り方次第で多くの企業の情報を得られます。あらゆる業界が集まる合説であれば、業界に関わらずに情報収集できることもポイントです。これから志望先を絞り込んでいきたい人であれば、興味のある業界を見つけることができるでしょう。興味が湧かなかったり、自分の中での目的を達成すれば、説明の途中で中座したり会場を出て帰路についたりできるので、自分なりに行動できるという良い点があります。

また、一般消費者の立場では知らないような企業に出会えるのもメリットです。就活を始める段階では、つい名前を知っている企業に目を向けるものですが、業界では有名だけど消費者は知らないというような優良企業が多数存在しています。どんな企業だろうと思って話を聞いてみると、思いがけない出会いがあったりするので大いに意味のある参加になるでしょう。

そして、就活へのやる気が出るということもメリットになるのではないでしょうか。就活生の中には、なかなか就活モードに切り替えられないという人もいると思います。そういった人が合説に参加することで、周りの就活生から刺激を受けたり、企業の人と話をしてみて会社に興味を持ったり、危機感を感じたり…と、やる気になるきっかけになるかもしれません。「合説に行く意味なんてないから」と言って、何もしないまま過ごすよりも余程意味のある行動になるでしょう。

・合同説明会に行くデメリット

複数社の話を聞けるというメリットがありますが、逆に言うと一社あたりの説明時間は短くなります。単体で行う会社説明会は2時間程度あるのに対して、合説ではだいたい20~30分ほど。興味のある企業から詳しく話を聞きたい場合は、あまり向いていないでしょう。

また合説は非常に混み合っています。大きなイベントであれば長い行列に並んで入場し、人混みを掻き分けながら広い会場内を歩き回ることになるので結構大変です。行って帰ってきただけでヘトヘトになるくらい疲れます。企業の話を聞くにも満席で待ち時間が発生することも多々あるので、効率的に回っていかないと「せっかく参加したのに得られるものが少なかった」という結果になりかねません。こういった経験をすると「合説は意味がなかった」という結論に至ってしまいます。

賢い合同説明会の参加の仕方

・目的を持って参加しよう

合同説明会にはメリット・デメリットが存在しますが、参加するからには最大限この機会を活かしたいですよね。とりあえず行ってみて、その場で動きを考えていると、なにもできないまま終わることが多いです。なんとなく空いていた企業の説明をメモして、参加した気になっているだけではもったいないです。参加する前に目的を考えましょう。

たとえば思いつきやすい目的が、「志望企業で実際に働く社員とコミュニケーションを取る」「〇〇業界に関する理解を深める」合同説明会には、実際に働く企業の社員の方がいらっしゃいますし、ある特定の業界を集めて説明会を開催する場合もありますので、上記の目的を持って説明会に参加すること良いでしょう。

また、「自分の知らない優良企業を一つ見つける」など目的でもいいでしょう。先述したように、合説ではあまり詳しい情報は語られません。正直言って、ホームページやパンフレットに書いてある情報が多いです。その場合、興味のある有名企業の説明は合説に行っていなくても後から得られるのです。ですが、自分の知らない企業については、その場で会社情報を得て「こんな企業があるんだ」と認識することに意味があります。有名企業は避けて、中小企業やB to B(企業同士での取引を行っている)企業だけに目を向けてみるのも一つのやり方です。それでも「自分の志望は有名企業だからイベントには全部参加しておきたい」という人もいるでしょう。そこから何か見つかるかもしれないので止めはしませんが、イベントに参加していなくても内定をもらえる人はいます。イベントに参加していたということが選考での優遇条件にはならないので、思い切って他の企業に目を向けてみるのも良いでしょう。

・企業の人と直接話しをしてみよう

合同説明会は企業の人と直接話しができるチャンスがあります。重要なのが「まだ選考に関係する段階じゃないからこそ、いろんなことが聞ける」という点です。イベントにはたくさんの就活生が来ていますので、個人を特定される可能性も低いです。それを利用して、聞きにくいことや突っ込んだ質問をしてみても良いでしょう。
また、参加者が少ないブースなどでは説明形式でなく、座談会のような形がとられることもあります。採用担当者だけでなく役員と直接話す機会もあり得るので、ぜひ積極的に話しに行きましょう。選考に進んだときに、「あのときこんな話をしてくれたことで…」など、他の就活生との差別化が図れるかもしれません。

・合説の感想を判断材料にしてみよう

合説に参加していろいろな企業の話を聞いてみましょう。そうすると「この業界は興味が湧かなかったな」「この会社良さそうだったな」といった感想が出てくるはずです。なぜ興味が湧かなかったのか、どこが良さそうだと思ったポイントなのかを考えてみてください。実際に企業を知った上で感じたことが、自己分析にも役立ってくるはずです。合説に参加したことで、自分でも気づいていなかった興味・関心や、企業を選ぶ際の判断材料が見つかるかもしれません。自己分析に悩んでいたり、志望業界を決めきれなかったりする人は、ヒントを掴むためにも合説で様々な業界の話を聞いてみてはいかがですか。

最後に

合同説明会は参加の仕方によって、意味があるのかどうか決まります。「なんとなく」や「とりあえず」といった気持ちで参加しても、当日会場をウロウロするだけで終わってしまうでしょう。なんのために行くのか、その目的のために当日は何をするのかを決めてみてください。考え方次第で、合説への参加の意味やメリットを感じることができるはずです。