適性検査とは



適性検査は、就活における選考のひとつです。「SPI」「玉手箱」「TG-WEB」という名前を聞いたことがあると思います。適性検査には種類があり、それぞれ出題内容も違います。多くの場合、「能力検査」「性格検査」から構成され、検査結果は選考に影響します。

なぜ適性検査を行うのかというと、就活生の能力や人物面を知るためです。検査結果からは、能力だけでなく、仕事への適性があるか、会社に合っているかといった人物面まで把握できます。新卒採用は企業への応募者数が多いため、ESと適性検査によって、面接する学生を絞り込んでいます。

適性検査はWeb上での受検、もしくはペーパーテストで実施されます。検査の種類や実施する企業によって、どちらの受検方法もあります。Webの場合は自宅での受検とする企業も多く、インターネットに接続できるパソコンがあれば受検可能です。大学のパソコン室でも受検できたりします。テストに集中できる環境を整えましょう。Web適性検査を受けるための会場(テストセンター)を予約して受検する場合もあり、受検方法や場所については企業から指定があります。ペーパーテストの場合は、企業に出向いて他の就活生と一緒に行うことが一般的です。

適性検査を受けるタイミングとしては、ES選考通過後です。面接に進む前のタイミングで適性検査があり、合格した人が面接に呼ばれます。逆に言うと、面接対策をしていたのに適性検査で不合格になってしまうこともあります。企業ごとに設定している適性検査はそれぞれなので、就活中に何度も受けることになるでしょう。ある会社で受けたSPI試験の結果を、他社にも提出できることがあります。適性検査は単純な学力の高さを測るものではありません。出題内容を知り、対策をすることで突破できるものもあるので、しっかり準備しておきましょう。ちなみに、性格検査で見栄を張っても仕方ありません。嘘をつかずに回答することが、就活の成功にも繋がっていきます。

適性検査の種類

・SPI

多くの企業が利用している適性検査が「SPI」です。リクルートキャリアが開発したもので、内容は「能力検査」「性格検査」に分かれています。

能力検査は、働く上で必要となる基礎的な能力を測るもので、言語、非言語が出題されます。簡単に言うと国語と数学です。具体的には、言語分野では言葉の意味や要点を捉える理解力を測り、非言語分野では、数的な理解力や論理的思考力を測る目的があります。これらの出題によって、就活生の理解力・合理性・効率性などを把握するのです。

性格検査は、二択の質問がどんどん出てくるので、自分に当てはまる回答を選んでいくというもの。たとえば「A:人をまとめるのが得意だ、B:サポートするのが得意だ」などの様々な質問によって、就活生の価値観や考え方などを把握していくものです。企業はこの検査結果によって、その人の職種への適性や組織の中での役割とった人物面を知ることができるのです。

・玉手箱

業界を問わずに多くの企業が利用しているので、就活で玉手箱を見かけることも多いと思います。自宅などで受検するWeb適性検査で、日本エス・エイチ・エルという会社がつくっています。検査の内容は「能力テスト」「性格テスト」です。能力テストの出題パターンは、計数では「四則逆算」「図表の読み取り」「表の空欄推測」、言語では「論理的読解」「趣旨判定」「趣旨把握」、英語では「論理的読解」「長文読解」となっています。

・TG-WEB

ヒューマネージ社が販売していて、適性検査の中でも特に難しいとされています。対策を怠ると、わかりやすく結果に現れてしまいます。非言語2種類、言語2種類、英語1種類、性格テストで構成され、特徴としては解き方を知らないとわからないような見慣れない問題が出ます。また、「新型」と呼ばれるTG-WEBでは、短時間にどれだけ問題が解けるかといったスピードを問う傾向にあります。

・GAB(ギャブ)

日本エス・エイチ・エルによる適性検査です。ペーパーテストのみで、能力検査と性格検査が出題されます。図表の計算問題や言語の読解力を測る内容です。

・CAB(キャブ)

日本エス・エイチ・エルによる適性検査です。ペーパーテストが基本で、Web適性検査のWeb-CABもあります。SEやプログラマー向けなので、ITエンジニアの採用で出てくることが多いです。内容としては、四則演算のほかに図形を使った法則性や暗号解読などが含まれています。例題をヒントにして、ひらめきも必要になってきます。

各適性検査の対策方法



ここでは、業界を問わずに大手企業・人気企業でも幅広く採用されている「玉手箱」と、対策が必須の「TG-WEB」について詳しく解説していきます。傾向と対策を知り、Web適性検査の突破を目指しましょう。

・玉手箱の対策

能力テストは、計数3種類、言語3種類、英語2種類あります。実際に問題を見てみないとわからない部分があると思いますが、大事なことは、玉手箱は「同じ形式の問題が出続けて」「制限時間が短い」ということです。「同じ形式の問題」とは、計数の「表の空欄推測」が出たら、表の空欄に当てはまる数値を導き出す問題が、制限時間20分で20問連続出題されるという具合です。玉手箱は、制限時間が厳しく、解答スピードが求められます。限られた時間の中で、どれだけ多く正解を出せるかが重要なので、ゆっくり取り組んでいる暇はありません。わからないときは1つの設問にこだわらずに進みましょう。問題数が多いので焦りますが、全問解けなくても大丈夫です。
コツとしては、出題形式を早く理解し、パターンに当てはめて問題を解き続けることです。そのために、玉手箱で出題される問題形式を事前に把握しておく必要があります。玉手箱対策の問題集が販売されていますので、1冊買って問題を解いてみましょう。何冊もやるよりも、同じ問題を繰り返し解くことで解答パターンを身につけたほうが良いでしょう。数字が変わっているだけの似たような問題が出題されたりするので、慣れることでスピードアップが図れます。企業によって、出題形式の組み合わせは違うので、一通り種類を把握しておきましょう。

・TG-WEBの対策

見たことのない問題が出た、対策していないとすぐにわかる、と言われている検査です。一方で、「解き方がわかればどんどん解ける」ということもあり、対策を行うことが非常に有効です。Webテスト、テストセンター、筆記テストという3種類の形式があります。また、馴染みのない難問が出題される「従来型」と、短時間で大量に解かせる「新型」がありますが、主流は従来型です。
馴染みがない、見たことがない問題はどんなものかというと、言語では文章を段落で並べ替える問題、計数では推論問題などですが、大学受験に似たような問題もあり難しいとされています。初見では理解ができずに、ただただ時間だけが過ぎていくような難問があります。そういった独自の問題と言われるものでも、パターンには限りがあります。やはり、テキスト本で問題の形式と解き方に慣れるのが一番です。2冊くらい繰り返し解いてみてください。対策していれば突破していける検査なので、企業は就活生が「選考の準備をしてきたかどうかをTG-WEBで見る」とも言われています。

まとめ

適性検査には種類があるので、すべてを万全に対策している時間はありません。また、全種類を対策する必要もありません。志望する企業が何の適性検査を使っているのかをリサーチしておきましょう。「玉手箱」は、業界を問わずにトップシェアを誇るメジャーな適性検査なので対策をしておくと良いでしょう。「玉手箱」も「TG-WEB」も、いきなり本番に臨んでも合格ラインには届かないようなテストです。出題に対する慣れは確実に役立ちます。就活が本格化してからはなかなか時間が取れないこともあると思うので、早い段階で適性検査の対策に取り組んでおきましょう。Web適性検査は初めてだとシステムの使い方に戸惑う可能性があるので、Web模擬試験なども活用して本番に備えましょう。