就職活動において、最近ではインターンシップへの参加が重要だという話を聞く機会が以前よりも増えてきました。みなさんも学校でインターンシップの説明会があったり、電車やインターネット等でインターンシップ関係のイベントの広告を見たりしたことがあると思います。

しかしながら、まだ参加したことがないという学生も少なくはないです。近年ではインターンシップを行っている企業数も多く、参加経験のない学生が参加したほうが良いのではないかと焦っている姿もよく目にします。インターンシップに参加することで本当に就活で有利になるのでしょうか。


インターンシップとはどのようなもの?

まず、インターンシップとは、就活生を中心とした学生に企業側が就業の体験を与えてくれる制度のことです。実際に気になる業界や気になる企業で働いてみるということで、いろいろ得られるものがあります。
既に働いている社員の方々とも直接関わることができますし、場合によっては懇親会が行われ社員の方々や同じ業界・企業を目指す学生とも交流をすることができます。最近ではただ就業の体験をさせてくれるだけではなく、仕事の中身であったり社員がどのようなことを考えて毎日の業務にあたっているかをより深く理解することができるようなプログラムが用意されていることもあります。いずれにしても就活やその後の社会人になってから役に立つ内容です。

インターンシップの期間はだいたい5日程度が一般的ではありますが、1ヶ月以上という長期間を設けている企業もあります。また、近年では1dayインターンシップと呼ばれる1日のみの開催も多く見られます。

たった1日でも大丈夫なのだろうかと心配になる方もいるかもしれませんが、企業側も1日でしっかりたくさんの経験ができるようにプログラムを考えているので安心です。期間の長さに関係なく、インターンシップへの参加は良い経験になるでしょう。行きたい業種や企業が決まっていない方がインターンシップに参加したことで、就職活動の方向性を見つけたという話もあります。実際の企業の中で就業体験ができるということは、就活生には貴重な経験となるでしょう。

インターンの種類や選び方について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

有給インターンシップとアルバイトの違いは?

「インターンシップとアルバイトの何が違うのかわからない」という方もいるかもしれません。
給料が発生する有給インターンシップの場合、特にそう感じる方が多いと思います。有給インターンシップもアルバイトも労働への対価としての給料が手に入るという点では共通しています。給料も有給インターンシップとアルバイトではあまり差はないことが多いです。

それでは、何が違うのでしょうか。

それは、任せてもらえる仕事の内容です。有給インターンシップでは、ベンチャー企業や中小企業でのエンジニア営業企画マーケティングデザイナー等いろいろな仕事内容で募集があります。
アルバイトではこのような仕事にあまり触れることはない方も多いと思います。将来の自分がどのような仕事をしたいのかをそういったインターンシップ経験を通じて見つけたという方も多いです。

やはり、実際に仕事を経験してみるのはとても良い判断材料になります。長期インターンシップではその仕事に取り組んでいる社員の方々の考えも聞くことができますし、その社員の方々がなぜその企業を選んだのかというポイントも聞くことができる場合があるので、就職活動において非常に役に立ちます。

インターンシップへの参加で就職活動が有利になる? 

今まで述べてきたように様々なメリットがあるインターンシップですが、就職活動には有利になるのでしょうか。いくら良い経験になるからといっても、忙しい中でせっかく参加するのであれば就活で有利になりたいという方も多いでしょう。

有利になる点として最初に挙げられるのは、就職活動を行う時期に企業へエントリーをした場合に必ず聞かれる質問への対策がしやすくなることです。エントリーシートや面接では必ずと言ってよいほど、その企業への志望動機や学生時代に頑張ってきた取り組み内容を聞かれます。学生自体の取り組みについて周りがアルバイトやサークル活動といったことを話している中で、企業で実際に働くインターンシップの経験があるということを話せるとかなり印象は良くなるはずです。特に長期間に渡るインターンシップ経験がある学生は、周りの学生と比べてエピソードを差別化できます。

その上、社会経験や企業での就労経験がない中でただ自分が思う志望動機を話すだけの学生よりも、インターンシップに参加して実際に企業で就労経験を重ねてきたことを踏まえて志望動機を話す学生とでは、後者の方が説得力が増します。
具体的な仕事内容などを思い出せば、自然と志望動機もハッキリとしたものになっていきます。このように、インターンシップに参加していない学生が志望動機に悩み困っている時間を上手く活用できるという点でも有利といえるでしょう。

また、インターンシップでは企業に勤める方々と関わることができるだけではなく、その企業を目指す学生とも関わることができます。そこで仲良くなった場合には、本選考までに何らかの情報が得られる可能性があります。
過去に内定を得られるように就職活動をした上で社会人として働いている方のお話や、自分と同じように就職活動に励んでいる学生の話はとても勉強になることも多いです。就職活動で大切なことの一つとして情報量が挙げられます。そういった情報をインターンシップを通じて得ていきましょう。

そして、インターンシップ先の企業によっては、もしかすると特別選考ルートが存在する可能性があります。これは、一般的な選考ルートであるエントリーシート選考や筆記試験での選考等の中から一部が免除されたり、何度かある面接の回数が減ったりする可能性があるということです。それによって、早い段階から内々定が決まる場合も出てきます。そこまで選考ルートに直結しないとしても、インターンシップに参加した学生のみが招待されるイベントを行っている企業も存在します。


有利にできるかは自分次第

以上のように、就活に有利になる点は多くあります。

しかしながら、何よりもインターンシップをおすすめする理由は、実際に就業経験をすることによって企業・仕事の生の雰囲気を知ることができるためです。それによって就職活動に対するモチベーションが高まったという感想もよく聞きます。

ただし、インターンシップへの参加を就職活動で活かせるかどうかは自分次第な面も少なくはありません。企業がどれだけ魅力的なプログラムを準備してくれていたとしても、それに参加する学生にやる気や積極性がないのであればもったいない時間となってしまいます。
また、選考に直接的には関係のないインターンシップだからしんどければ手を抜いても大丈夫だろうと考えるのもおすすめできません。選考段階が減るなどの直接的なメリットがないとしても、真剣に取り組むことでその後の就職活動は有利になり得ます。

したがって、インターンシップの経験を少しでも自分のためになるように、与えていただいた課題に真剣に取り組むことが必要です。参加するからには全力で頑張ってたくさんのことを得て帰ろうと常に考えておくことは非常に有効な方法となります。そういった気持ちがあれば、その後の選考でもインターンシップ経験が有利なものとしてアピールできるでしょう。今まで見えてこなかった視点でも企業を選べるようになるかもしれません。

インターンシップには先述した通り、多くのメリットがあります。ぜひその経験を活かして就職活動を有利に進めてゆくためにも、しっかりと準備をしてインターンシップに参加してみましょう。