学生時代に就労経験を積む機会として「長期インターン」が注目されています。就職活動を前に実務経験を積むことができるため、学生にとって大きな成長機会になるからです。

 

一方企業側にとっても、優秀な学生と接点を持てる機会としての認知が広がり始めました。中長期のスパンで働いてもらうことができるので、自社の業務やカルチャーを知ってもらうことが可能になり、新卒採用活動の一環として導入する企業が増えているようです。

 

今回の記事では、数多くの長期インターン生が活躍する急成長スタートアップ・ユアマイスターさんにお話を伺いました。

—— 長期インターンを導入した理由について、教えて下さい。

会社の創業期は魅力的な仕事よりも泥臭い仕事が多く、中途で社員採用をすることが難しかったために、長期インターン(Infra)を導入しました。時給の観点で働くアルバイトより、事業の推進に関心のあるメンバーを採用したいと考えていたので、長期インターンが最適なソリューションだと考えました。

—— 長期インターンでは、魅力的な人材を採用することができましたか。

「大手の新卒社員よりも優秀だ」と思える、優秀な学生を採用することができました。スタートアップでのインターンを考える学生は、「ゼロから何かをやってみたい」というモチベーションがあります。なので、3ヶ月もあれば圧倒的に成長してくれるんです。



—— 長期インターン採用から新卒採用に成功した事例はありますか。

正社員の5分の1が長期インターン経由で採用したメンバーです。新卒入社する学生もいれば、一度大企業へ入社し、出戻りしてくれたケースもあります。


—— どのようにして、長期インターン採用から新卒採用につなげているのでしょうか。


大前提として、学生の可能性を狭めてはいけないと考えているので、囲い込みはしません。 


まず長期インターンをしてもらう上で弊社とインターン生の双方で、「成長」にコミットすることを確認しています。
 弊社のVALUEの一つに「FEEDBACK is GIFT」という言葉があり、インターン中には社員から学生に対するフィードバックが日常的に行われているんです。

また、就職活動の時期には役員自ら面接の練習やES(エントリーシート)の添削など、就職活動の支援を全力でしています。その結果、弊社で長期インターンをしてくれた学生は、過去全員が就職活動に成功しています。

 就職活動がゴールの長期インターンではない為、就職活動が終わった後もインターンを継続してくれる学生が多く、内定を持っている状態で弊社で働きながら実情を見て、検討してくれます。 その上で入社を希望してくれた学生に対し、改めて選考を行い内定を出しています。


—— アルバイト採用と長期インターン採用に違いはありますか?


アルバイトとして募集を出すと、アルバイト(お金を稼ぐこと)が目的の学生
の方から応募がくる印象があります。一方、長期インターンを志望する学生には、成長したいという想いがある場合が多いです。そのため弊社では、基本的に長期インターンで学生を採用しています。





—— 長期インターン経由の新卒採用と、いわゆる新卒採用や中途採用の違いはありますか。


いわゆる新卒採用は「ポテンシャル採用」なので、能力を可視化するのが難しいと思っています。しかし長期インターンを経験してもらうと、ポテンシャルと能力を可視化できます。また、会社のカルチャーや状況を深くを理解した上で入社してくれるため、長く継続的に、そして高いロイヤルティを持って働いてくれる印象があります。


—— 長期インターン採用にデメリットはありますか?


大きく二つあります。短期で辞めてしまう学生がいることです。また学生なので、仕事のレベルが追いついておらず、クライアントに迷惑をかけてしまうケースもあります。とはいえ、長期インターンに限った話ではなく、そうしたリスクは会社でコントロールできるものだと考えています。