ob訪問は応募しようとする会社の実際の姿を知るためのまたとない機会です。それはobもかつてはあなたと同じ大学出身の求職者であり、求職者としての立場と会社の従業員としての立場の両方から質問に答えてもらうことができるためです。
また面接の前に会社の内部の人と話すことのできる機会はという意味でも非常に重要です。ob訪問では、事前に質問をまとめ、「会社選び、応募、面接」に直接活かすことのできることを聞く必要があります。
つまり、ob訪問をどれだけ就職活動に活かすことができるかは、事前準備にかかっているのです。今回はob訪問を有意義なものにするための事前準備と、実際に聞くべき質問事項について紹介します。
ob訪問における質問の大切さ
ob訪問とは、応募しようとする会社の社員であり、かつ、あなたの大学の出身者であるobのもとを訪れ、会社や就職活動について質問をすることができる場です。あなたと同じ大学から、あなたが応募しようとする会社に入ったobからは、就職活動に直接活かすことのできるフレッシュな情報を得ることができます。
obは現在あなたが応募しようとする会社で働いているのですから、会社がどのような人材を求めているか、会社が行なっている事業の詳細について非常にためになる話をしてくれます。会社の内部を知るためには、内部者に話を聞くのが最も有効なのは当然です。
しかし、obにゼロから会社のことすべてを教えてほしいというのはあまりに受け身であり、悪い印象に繋がります。そのためob訪問の際は、事前にあなたの知りたいことを明確にする質問を考えて臨む必要があります。
優れた質問はあなたの疑問や不安を解消するだけでなく、obのあなたに対する印象を良くします。あなたが実際にその会社に応募した際、選考を進めるのは人事担当者であり、最終的に採用か否かを決めるのは役員であるのが一般的です。
しかし、ob訪問でobに良い印象を残すことができると、その意見が人事担当者に伝えられることもあります。優秀な人材を獲得したいという思いは、どんな企業であっても同じためです。このように、ob訪問に際しては、いかに優れた質問を用意しておくことができるかという点が非常に重要となります。
事前の準備とは？ （質問シートを作ろう！必要であれば事前にメールで送信しとこう）
ob訪問に臨む際は、事前に質問をまとめておくことをおすすめします。エクセルなどを利用して、1枚の質問シートを作成するとよいでしょう。質問シートを作成することには、以下のようなメリットがあります。
・作成時に自分の頭の中で質問が整理される
・後からすぐに見返すことができる
・質問が頭の中に入り、ob訪問時の会話をスムーズに進めることができる
・より鋭い質問を思いつくきっかけになる
あなた自身が考えた質問を1枚のシートにまとめる過程で、自ずと質問が整理され、ブラッシュアップされます。そうすると、より応用的な質問を思いつくことができ、ob訪問時にイレギュラーな話題に的確に対応することができるようになります。
また作成した質問シートは事前にobに送りましょう。そうすることで、obは質問に対する答えを考える時間を設けることができ、より深く的確な答えが返ってくることが期待できるためです。
こういった自分と相手のメリットを共に考慮した対応は、ビジネスをする上で必ず求められるものです。それをob訪問の時期から会社に対してアピールしておくことができると、最終的にあなたに良い結果を招くことに繋がります。
簡単に調べればわかることは聞かない（最低限調べましょう）
ob訪問における注意点として、調べれば簡単にわかることを質問しないというものがあります。例えば、会社の従業員数や主な事業内容などは会社のホームページに記載されている場合がほとんどです。ob訪問時に、質問をすることが第一の目的となってしまうと、このような安易な質問をしてしまうことがあります。
質問しなければいけないといった強迫観念が、少し調べればわかることを質問させてしまうのです。しかし、それはあなた自身の調査能力の欠如を示すだけです。特に応募しようとする会社が上場会社である場合は、公開することを義務付けられている書類をインターネット上で見ることができます。
それらはIR情報という形で会社のホームページに載っており、事業内容、売上、純利益、株主構成など会社についての情報がぎっしりと詰まっています。実務に携わる前の求職者としては、IR情報を読んでも具体的なイメージを持つことが難しいかもしれませんが、余裕がある場合はob訪問の前に目を通しておきましょう。
会社について詳細な情報が載せられているため、鋭い質問を思いつくきっかけにもなります。またob訪問の際にIR情報を引用した上で質問をすることができると、obのあなたに対する印象はグッと良くなるでしょう。
聞くべき、役立つ質問集
以下では、ob訪問の際に聞くべき質問について紹介します。ob訪問という有益な機会を効果的に利用し、応募や面接に繋げるための質問となっています。
・御社で活躍している人物に共通する特徴はありますか？
この質問は端的に、会社がどんな人材を求めているかを知ることのできるものです。可能であれば職種ごとに活躍する人に共通する要素について聞くことができると大変に参考になるでしょう。
・（ob本人に対して）就職活動の際、最終的にこの会社を選んだ理由を教えてください。
先輩であるobがこの会社を選んだきっかけを聞くことにより、志望動機の材料を得ることができます。また次の質問に繋がる内容も含んでいます。
・入社前と入社後でギャップはありましたか？
obがこの会社を選んだ決め手を聞き、その後に入社前と入社後のギャップを聞くことで、会社の外面と内面の両方を知る手がかりを得ることができます。
・今までお仕事をしてきて最も強い遣り甲斐を感じた出来事を教えてください。
こちらは非常に前向きは質問です。ob本人のエピソードを聞くことで、フレッシュな情報を得ることができ、外から見ていただけではわからない業務の具体的な内容や社内の雰囲気を知ることにも繋がります。
・１日ないし１週間の業務の流れを教えてください。
職種により1日ないし1週間の業務内容や業務の流れは異なります。1日単位で聞くよりは、1週間単位で聞くことで業務について具体的な内容をイメージすることができるでしょう。また職種によっては、プロジェクト単位で聞くことが効果的な場合もあります。
・業界における御社の立ち位置と強みを教えてください。
同業他社と比較したうえでの会社の立ち位置というものは、会社の外からはなかなか知ることができません。競争が激化する現代において、会社がどのような戦略で売上を伸ばしていこうとしているのかを知ることは、会社選びについて効果的な判断材料となるでしょう。
・御社の今後の事業展開について聞かせてください。
現代の会社は複数の事業を行っている場合も少なくありません。そのため、会社が今後どの事業に力を入れていくのか、どのような戦略で規模を拡大していこうとしているのかを知ることは非常に重要です。
・職種が異なる人と交流する機会はありますか？
こちらの質問は職種が違う人物で行う勉強会や、飲み会などの社外コミュニケーションの場を想定した質問です。会社の風土を知るためにも有益です。
・御社特有の風土やカルチャーはありますか？
漠然とした質問ではありますが、obが転職の経験者であるような場合は他の会社と今の会社を比較したうえで興味深い答えが返ってくることが期待できます。
まとめ
以上のようにob訪問は会社を外から見ていたのでは得ることができない情報を得るための絶好の機会です。そうして得られた情報は会社選び、エントリーシートの作成、面接対策と幅広く利用することができます。しかし、そのためにはob訪問の際の質問を選りすぐりの優れたものとする必要があります。
ob訪問を経ずとも得られる情報はすべて集めた上で、的確で鋭い質問を作成しましょう。作成した質問は質問シートにまとめ、事前にobに送っておくとob訪問をより有効活用することができます。これらの点に注意して、実りのあるob訪問を実現してください。
