内定承諾書・入社承諾書を提出した後に内定辞退をするとどうしても内定企業に迷惑がかかってしまいます。

それでも「他の企業に行きたい!」ということはありますよね。 

「カレーやコーヒーをかけられた」
「土下座を強要された」
様々な噂がありますが、企業との関係をより良好に保ったまま断るには、どのような断り方が最も適切なのでしょうか。

内定承諾書出した後でも内定企業になるべく失礼のないように辞退するポイントを紹介します。

内定承諾書を出した後内定辞退するときに大切な5つのポイント

(画像引用元:https://www.flickr.com/)


内定承諾書とは?

ではそもそも内定承諾書とはどういうものなのでしょうか。

「内定承諾書」(内定誓約書)とは、書面で 内定を承諾することを確認するものです。企業のほうでは、学生に内定を出しても、本当に入社してくれるかどうかわかりません。そこで本人が納得しているかどうかを判断するために、書面で誓約書を交わし、捺印させたうえで内定を出すという手順を踏んでいるのです。 出典|マイナビ2012 -学生向け就職情報サイト-


つまり、内定承諾書とは学生の意思を企業が確認したいという意味があるのですね。
それを「文書」として残すことで、学生により精神的にプレッシャーをかけているのです。

内容としては、

・この企業に就職します。
・正当な理由以外では、この承諾書に反することはしません。
というものです。

ただし、これ意外にも何かかかれている場合もありますので、
かならず内容を確認してからサインするようにしてください。


内定承諾書を提出してからでも辞退はできる

いよいよ本題です。
内定承諾書を提出したけど、もっと行きたい企業から内定をもらえたので辞退したい…

結論から言うと、内定承諾書を提出しても、 辞退はできます
内定承諾書自体には法的拘束力はなく、さらに個人には法律で認められている職業選択の自由があります。

ですので、「内定承諾書を出したから辞退はできない」という心配はありません。

ただし、企業にそれ相応の迷惑をかけることを自覚してください。
企業の採用活動には、募集をかけたり説明会を開いたりという経費がかかるだけでなく、現場で働く社員の声を聞きたいという学生の要望に答え、本来の業務ではないところに社員の方が来てくれます。
これはその社員が仕事をする時間を学生の就活にもらっているわけですから、企業としては生産性が落ちることに繋がります。
企業はそれほどの労力をかけて、新入社員の採用活動をしているのです。

さらに、内定を出したということは、採用活動が一応の終わりを迎えたということです。
そんな時に、せっかく出した内定を断られてしまったら、採用活動を再開しなければなりません。

権利としては保証されていますが、内定承諾書を提出して一度内定を受けてからの辞退は、企業に大きな迷惑をかけることを認識しておきましょう。



内定承諾書を出した後内定辞退するときに大切な5つのポイント

(画像引用元:https://www.flickr.com/)

内定辞退を伝える際に気をつけたい5つのポイント!

では最適な断り方をみていきましょう。

ポイント①:できるだけ早く、誠実に

学生にとって内定辞退は、かなり精神的にストレスがかかります。
冒頭に挙げたような例や怒鳴られるのではないかといった不安があるからですね。

このような心理からズルズルと後回しにしがちですが、その企業に入らないことが決まった時点で、出来るだけ早く辞退の旨を伝えましょう。

上でも言及した通り、一度内定を引き受けてからの辞退は企業にかなりの迷惑をかけます。
企業は内定を受けてもらえると認識して受け入れの準備を始めています。また、内定を辞退された後、企業は採用活動を再開しなければなりませんから、企業が少しでも早く行動を起こせるよう「 できるだけ早く 」伝えてください。

また、契約を破るわけですから、「非常識なことをしています」という認識を持っていることを示すために、 誠意 が伝わるよう心がけてください。

どこかの時点では必ず伝えなければいけないわけですから、早めに言ってしまってスッキリしましょう。


ポイント②:どんなに遅くても「業務開始の2週間前まで」に

できるだけ早くと言っても具体的な期限も知っておきたいですよね。
期限は「業務開始の2週間前」です。しかし、本当に最終的なデッドラインであることを認識しておいてください。

この期限を過ぎてしまった場合、学生の側にもデメリットが生じる可能性があります。

法律上、契約が解除されるのは申請の2週間後です。
A社に辞退を申し入れたのが入社したいB社の業務開始まで2週間を切っていた場合、B社の業務開始からA社の契約解除までは2社と契約することになります。
しかし、週40時間を越える労働契約は法律上禁止されているので、A社の契約が解除されるまではB社と契約できないという状態に陥ってしまいます。
これではB社に入社することが出来なくなってしまうのです。

A社と円満に話し合い、すぐに契約を解除してもらえればいいですが、せっかく出した内定を蹴る学生にそこまで配慮してくれることはあまり期待できませんね。
こんなことにならないためにも、「決めたらすぐ」を徹底しましょう。


ポイント③:電話>メール→手紙

内定辞退を伝える際は、電話で伝えた後に手書きのお詫び状を送るのが一般的です。

ビジネスでは重要なこと程、直接伝えるというマナーがありますので、最も良い手段は実際に会って伝えることです。ですが内定辞退の場合、学生には心理的な負担がかなり大きいので、電話で伝えてから手紙を送るという方法でもいいでしょう。

ただし電話で伝えた際に、直接言いに来いと言われた場合は会いに行ってください。

メールは一方的な印象が強くなるため、避けた方が無難です。

電話で辞退を伝える際は以下のことに気をつけてください。

・挨拶のあと、内定辞退という結論を先に伝える
・理由を述べる際は相手を否定することは言わない。

電話をする際は名乗って挨拶をし、内定を頂いたことに対するお礼を述べたら、すぐに辞退の旨を伝えます。
言い難い気持ちもわかりますが、先に結論として自分の意思を伝えた方が、意思の強さが伝わりやすいです。

理由は、聞かれた場合には正直に答えてください。敢えて自分から言い出す必要はありません。「他社から内定を頂き、熟考の末、私の〇〇という長所は〜という環境での方が活かせると考えました」と、自分を理由にするようにしましょう。
ここで、企業の知名度や待遇を理由にすると、辞退する企業を間接的に批判することになりますので、気をつけてください。


ポイント④:企業の反応への対処

電話で内定辞退を伝えた場合、企業は様々な反応をします。

入社しようとする企業を聞かれた場合は、学生の動向を知るためのリサーチの一環でしかないので、正直に答えても大丈夫です。

質問攻めにされた場合は、「これ以上の回答は控えさせてください」ときっぱり言いましょう。
法律で権利として認められたことをしているので、はっきり言い切っても大丈夫です。
あくまでも企業と就活生は対等の立場ですので、答えないということも可能です。

損害賠償を請求されることはあり得ます。内定辞退の連絡までに完了した受け入れの準備にかかった費用などを企業が請求することは、法律の理論上は可能です。
ただ、民法上、内定承諾書は「解除」という言い回しになり、その契約を最初からなかったものとして扱うということになります。ですので、企業が損害賠償の請求をすることは可能ですが、払わなければいけないことはないので安心してください。


ポイント⑤:手紙の書き方

電話で伝えた後は、申し訳なく思っていることをより示すために、お詫び状も出来るだけ早く送りましょう。極力、その日のうちに投函するのがベストです。

こちらは手書きで書く事で、誠意をより表すことができます。

拝啓、貴社益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
この度は、貴社の採用内定を頂き、誠にありがとうございました。
私にとて大変公営なお話でしたが、悩んだ結果〜という考えに至りました。
大変非常識ではございますが、今回の内定については辞退させて頂きたいと考えております。
貴社の皆様には、お時間を割いて選考をして頂いたにも関わらず、期待にお答えすることができず申し訳ありません。
誠に無礼とは存じますが、どうかご容赦くださいませ。
今後とも、貴社のご発展を、心よりお祈り申し上げております。
敬具

こちらが手紙の例文ですが、このような例文を人事担当者は見飽きています。
もし余裕があるのであれば、一部分だけでも自分の言葉に置き換えて書くようにしましょう。

まとめ

これまで、内定承諾書を提出した後の辞退の可否について、またその仕方について見て来ました。

企業に多大な迷惑をかけることを分かった上で、自分の意思を強く持ち、毅然とした態度でいることが大切です。
企業としては入社して欲しいわけですから、色々な方法で引き止めようとするでしょう。
辞退の理由をしっかり深めて考え、論破されないように対応することを心がけてください。

後腐れのない断り方をして、スッキリした状態で社会人になれるようにしましょう!