化学メーカーとは?

日本の成長や技術力は化学メーカーによって支えられてきたといっても過言ではありません。就活やインターンシップでも、化学メーカーを志望する大学生は多いです。

とはいえ化学メーカーとは一言ではなかなか言い表せないものですし、具体的にどのような仕事をしているのか把握し難いかもしれません。


化学メーカーとは、「ある材料を化学反応によって加工していく企業」のことを表したものです。仕入れた材料となる原料について、化学変化をもたらすほか、分離や精製などを施したものを製品として提供します。


化学メーカーは、あらゆる物質に対して合成や分解、何らかの化学反応を生じさせることにより、付加価値をつくっていき、これにより収益を得ているのです。化学メーカーの種類は、広範に渡っており、諸々の分野に分けることが可能です。具体的にいえば、石油やガス、フィルムや繊維、それに電子部品などといった高分子、ガラスやセメントなどの無機材料、洗剤や化粧品などの生活用品の開発などが該当します。


ある分野に特化している化学メーカーも存在すれば、多岐に渡って手掛けているメーカーも存在しています。下記にてご紹介する三菱ケミカルホールディングスなど財閥系の大手はこれら全ての分野について手掛けています。


文系の学生は特に化学というと自分とは遠いものと思ってしまいがちですが、日々接している製品にも化学メーカーによる恩恵を受けているものがたくさんあります。具体的に製品を挙げれば、携帯電話の各部品であるとか、香料、プラスチック、ゴムなどといった日常にあふれているもののほとんどが化学メーカーによって手掛けられたものなのです。

化学メーカーの技術力は相当に高度なものなのですが、多くの人の日常生活の大部分を支えているのです。





主な化学メーカーと売上高ランキング


1位:三菱ケミカルホールディングス


上記の会社が統合したのは、昨年2017年の4月のことです。傘下となる企業にも著名な企業が多いです。基礎化学品や電子部材、医薬品などといったように広範に事業を展開しており、収益それぞれが均衡を取っているのです。自然などを取り巻く環境をよりよく維持していく趣旨のもとで、これに照らし合わせて、開発に携わっている社風です。


2位:富士フィルムホールディングス


写真や映像に関する製品では著名な富士フィルムや富士ゼロックスなどを傘下に持株会社として展開しています。写真や映像分野については、デジタル化の煽りを受けて事業が芳しくない傾向にあるものの、その技術を活用していくことを視野に入れ、各種ディスプレイなどに用いられている高機能材料やヘルスケアなどに重点を置いていることが特徴です。さらには、健康食品や化粧品なども視野に入れ実に広範に渡って事業展開しています。


3位:住友化学


海外売上高の比重が6割相当にも上っていることが特色であって、そのほかのランキングに名を連ねている企業が4割程度に留まっていることからすれば、相当高いものと評価できます。

スマホに用いるための情報電子化学の分野や、農業関連などを得意分野としています。また、海外投資にも事業展開しており、これを巧みに回収できるか否かが将来を左右してくるといえるでしょう。


4位:旭化成


従来から伝統を重んじた化学製品を開発していましたが、住宅や医薬品に加えて、電子部材などといったように広範に事業展開している大手です。

あまり一般には知られていないのですが、旭化成グループに属する旭化成エレクトロニクスの開発するDACなどに用いられている型番AKで始まるチップは、高級オーディオのみならず、プロ用の機材にも用いられているほどであって、世界中から絶大な支持を得ています。


5位:花王


おなじみ洗剤や掃除用品、それに化粧品などといったように、化学メーカーでありがちな中間財ではなく、最終製品として顕著であることもその名を知らしめた理由でしょうね。また、洗剤や化粧品などに留まらず、中間財の取り扱いもあって、これが売上高のうちの16%ほどを充当しています。


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「化学メーカーで働く」とは


 

化学メーカーでの職種は、「研究」や「技術開発」に携わる技術系のものが多くを占めているほかは、原材料の調達に供する「購買」などが存在しています。そして、化学メーカーのみならずそのほかの企業でも存在している職種、「営業」や「経営」に係る業務や「人事」や「総務」などというように、広範にわたっています。


その中でも営業経営・企画の職種は長期インターンシップで経験できます。

また、化学メーカーでは技術職志望者向けに短期インターンシップを開催している企業も多いため、インターンに参加してみるとさらに理解が深まるでしょう。

 


・化学メーカーにおける「研究」「技術開発」の業務とは


化学メーカーで主な業務となる「研究開発」業務ですが、

このうち、基礎研究では、新たな商品の作成のために、化合物や製品を模索していくための研究や分析などを実施していきます。


工業化研究においては、商品化するに際して新たなタイプの開発やこれまで開発した製品について改良の余地があるか否かを検討しあれば改良を施します。


生産技術においては、製造工程を無駄のないように策定するとともに、環境への悪影響について配慮すべく各種計画などを実施していきます。生産では、製造に供する設備のために、管理や維持、保守や改良、それに新たな設備を設置するに際しての設計や建設などを実施していきます。

 

・化学メーカーにおける「営業」職とは


化学メーカーでの営業は、法人顧客への既存ルート営業が大半を占めており、自社製品の営業やこれから開発する商品の提案、それに価格交渉なども実施していきます。

残りは新規開拓の営業か、デスクワークとなっています。企業によって、文系営業技術営業とを明確に区分しているところも存在しています。


技術営業は、原則として研究職である程度のキャリアや経験を有している手練が就くようで、ほとんど通常の営業にはできないような専門的なセミナーや売り込み、現場での指導などのほか、アジア諸国への指導も行っているようです。


文系で営業職志望の場合、特別化学の専門知識がないにしても特に影響はありません。しかしながら高校で学ぶ程度の化学に関する知識は、交渉時などに突っ込んだ質問をする際に役立てる場合もあることから、勉強しておくとより仕事を楽しめることでしょう。


 

 

まとめ


いかがでしたでしょうか?

日本国内で自動車産業に次いで2位に位置づけられるほどの規模を持つ化学メーカーは、日常生活で顕著な最終製品のみならず、中間財と呼ばれる中間工程も手掛け、各分野に渡り事業を展開し、我々の生活を支えとなっているのです。


このような化学メーカーへの就職を検討してみてはいかがでしょう。


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