お祈りメールとは、不採用の旨を通知するメールのことです。お祈りメールが通知されれば、何らの斟酌や返信をすることなく、削除してしまうことが一般的と思われがちです。

しかし、このお祈りメール、これでこの企業へ就職する方途は絶たれたものと考えられがちですが、実は返信することによって好転できる場合もあるのですよ。

そこで当記事では、お祈りメールに返信すべきケースなどを例文とともに解説し、付随させるべきマナーなどについても解説していきます。

お祈りメールに返信は必要?

不採用を知らせる旨のメールがお祈りメールと称されている理由としては、その文言に「貴殿のますますのご発展とご活躍をお祈り申し上げます。」との定型文をあげつらってのことだと思われます。概ね選考した日付より1週間ないし2週間程度で送信されることが一般的なようです。

なかには選考を受けたにもかかわらず、お祈りメールすら通知されない就活生もいるとのことです。選考が大規模であれば、すべての人に漏れなくお祈りメールが送信されることもないようで、近時では増加傾向にあるようです。その根拠とは、人件費や労力を削減するため、あるいは採用に至らなかった人からのクレームを抑制するという趣旨にあるようです。

ところで、このお祈りメール、必ずしも返信する必要性があるものか、返信せずに放置しておくべきものなのか、いずれの手段が適切であるかは案外知られていませんよね。原則としては不要なものですから、通常でも返信せずに放置している人が大半であることでしょう。

結論を述べれば、返信する必要性は何らも存しないのです。巧妙な返信をしたことにより選考結果が好転することはほぼあり得ませんし、返信しないことが非礼に相当するものでもないわけです。お祈りメールの文言自体に照らしても、やり取り自体既に完了に至っています。よって、敢えて返信する必要性は何らもなく、決して非礼になることもないのです。

しかしながら、お祈りメールは例外なく返信してはならないというものではなく、時として返信したほうがよい場合もあるのです。

そうしたことから、お祈りメールに返信しないケースと返信するケースとに大別して、それぞれについて詳細を解説していきます。これまで返信していなかった場合であっても、返信した経験があっても、再度認識した上でこれからの就活に際して役立てていきましょう。

■インターンシップでのお祈りメール


インターンシップでのお祈りメールは、一括送信である場合が多く、一斉に数百人に対して送信されていることもよくあるようです。そのようなメールに対して返信したにせよ、人事担当者が見ることには期待できないというべきです。ましてや、選考に影響する可能性は皆無といえます。

■1次面接や筆記試験で通知された場合


お祈りメールとは、本来、不採用の旨を通知するための時間を短縮させるために行われているものです。そのため、筆記試験や1次面接などといったように、大量の応募者がおり、何らの勘案もされずに落とされたような場合にあっては返信しないほうが適切であるといえます。時間の短縮のために簡便な手続をしているにもかかわらず、都度返信されてしまっては元も子もないからです。早期の場合や単なる試験に落ちた際になされたお祈りメールに対しては、これまでどおり削除し、心機一転して別の就活に励むことが相当といえるでしょう。

■返信が必要となる場合とは


面接などに遅参をしたり、持参すべき書類を失念していたなど、担当者に迷惑をかけたり、お世話になったなど、よくしてもらったり懇意となった際には、返信メールを送信してもよいのではないでしょうか。返信メールの件名には、Re:ではなく、感謝の旨と誰が送信したかが判別できるように記載しておくことが望ましいともいえます。

そして、応募者過多でない場合や、最終選考まで残っていた際にも、返信することが望ましいといえるでしょう。最終選考まで残れば、この時点に至るまで幾度も企業に赴いたはずで、担当者とも懇意となっていることもあるといえます。稀有な事例ではあるものの、あなたの代わりに内定した人が内定を蹴ったり、内定を取消されたような際には、あなたが内定されるに至ることもあり得ますから、必ずと言ってよいほど返信しておくべきといえるでしょう。

そして、返信しなくても良いことが分かった上で、敢えて返信したいと考えたのであれば、遠慮などせず返信しましょう。このような場合は、就活生自身について褒めている文言が記載されていることかと思われます。あるいは、返信することによって決着を図ることもできるはずでしょうね。返信したいと考えたのであれば、それはもう誰にも止める権限は有しません。

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お礼メールの書き方!【例文つき】


お祈りメールに対する返信の例文は、以下のとおりです。

「株式会社●● 人事担当者様

いつもお世話になっております。
●月●日に面接して頂いた●●大学の●●です。 
わざわざご連絡誠にありがとうございます。

先般は、ご多忙のなか、貴重なお時間を割いて頂きまして、誠にありがとうございました。

選考結果につきましては、誠に残念ではございますが、謙虚に受け止めるとともに、以後の就職活動に邁進していく所存でございます。

末筆ながら御社のますますのご発展と、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。

署名」

留意点としては、どのような趣旨で返信したのかを記載した上で、感謝の気持ちを表明することを忘れないようにしましょう。

そして、件名については、簡略なものを用いるようにして下さい。何かと多忙な人事担当者ですから、Re:としても問題はないかと思われますし、むしろそのほうが分かりやすいともいえます。
件名を新たに作成する場合には、本文記載のものをさらに簡略にし、名前についても記載するようにします。避けるべきことは、無題ですね。

また、人事担当者に対するメールであることを示す必要があるために、基本的には企業への問い合わせの際と同様に記載する必要性が生じます。人事担当者の氏名が不明である場合には、「人事担当者様」などと記載して下さい。

末尾には、署名を記載しておきましょう。所属している大学名や自己の氏名、などを忘れずに記載します。

最終選考まで残っていたような場合には、個別エピソードなども盛り込みましょう。親切な対応に感謝している旨などを記載します。お祈りメールに個別事情が記載されていれば、それに呼応するようにメール本文を作成していきます。

お祈りメールに関してよくある質問

お祈りメールの返信方法は以上の次第なのですが、諦めきれない場合も多々あるかと思われます。そのような際には、お祈りメールの返信のみならず、またはお祈りメールに返信することなくハガキでお礼を述べておくことも良い手段といえます。まだまだ採用に至る余地がないとはいえないために、懸命にアピールすることにより、良い結果に至るかも知れません。直筆にすれば、直截に感情が伝わりやすいことからも、内定取り消しが生じた際には、一躍採用されることもあり得るといえるでしょう。ただ、無論のこと、そのような可能性はほぼないものと心得ておきましょう。

また、お祈りメールへの返信とともに、不採用に至った根拠を知りたいと考えている人も少なくはないことでしょう。ただ、このようなことを記載することは推奨しかねます。なぜなら、たとえ尋ねたとしても回答してくれる可能性はないといえるからです。それに回答する義務もなく、根拠を尋ねたことによって、ゼロとはいえなかった内定繰り上げの余地がさらに低くなる可能性もないとはいえないからです。

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まとめ

以上のとおり、原則として、お祈りメールに対して返信する必要がありません。ただ、何らかの特段の事情があった場合や、最終選考まで残っていたような場合には、返信することによって良い結果をもたらすこともあります。お祈りメールに返信する人自体の総数が僅少であるために、企業のなかには詳細について目を通す可能性も低くはないでしょう。そのため、不採用に至ったことを理由に不貞腐れるような真似は慎み、真摯に対応することを心掛けましょう。もし、人事担当者に訴求し得るような返信ができれば、意外な返事が待っているかも知れませんよ。

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