2018年もいよいよ就活シーズンになりました。今頃は多くの学生が、ESの作成等に追われている頃かと思います。

本記事では、学生時代の様々な取り組みは、就職活動においてどう評価されるのかをまとめています。
その上で、なぜ長期インターンがオススメなのかを、最後に記載しています。


就活で評価される活動1:体育会

日本の就活界で「就活に強い」と言えば体育会でしょう。有名大学の体育会に所属する学生は、4年間厳しいトレーニングを積み、理不尽な上下関係を耐え抜いてきた学生は、一般的なイメージとして、体力と根性があるように思います。

また、全力で一つのことに取り組んできた学生生活は、学生本人も充実感があるでしょうし、他の人から見ても努力の過程が伝わりやすい印象があります。


体育会の学生はなぜ就活に強いのでしょうか?
評価される要素はいくつかあると思いますが、体力そのものも評価されているはずですし、また理不尽なことにも耐えられる精神的タフさ、厳しい上下関係の中で鍛えられたマナーなども評価につながっているでしょう。

こういったソフトスキル(リーダーシップ、コミュニケーション能力、地頭など幅広く応用できるスキル)に重きを置いて人材を見極める企業(日本の大企業は大部分が該当するでしょう)は体育会を高く評価します。
また、日系でなくとも外資系の投資銀行などは、そのタフさを大いに評価する傾向にあります。


体育会の弱点を述べるとすれば、体育会活動に時間を取られてハードスキル(語学、プログラミングなど)を身につけにくいこと。
日本の伝統的な企業を受ける場合は問題ないでしょうが、IT系ベンチャーなどは即戦力を採る傾向にシフトしているので、そういった企業を受ける場合は、体育会ブランドが通用しないかもしれません。


就活で評価される活動2:学生団体

近頃増えているなと個人的に感じているのは、学生団体に所属し、その経験をアピールする学生です。
学生団体の活動領域は多様で、様々イベントを企画・実行する団体や、途上国でボランティアをする団体、貧しい子供に勉強を教える団体、キャリア支援をする団体など、本当に色々あります。

学生団体で活動している学生には、例えば活動支援金を集めるために企業と交渉をするなど、大人と関わる経験を積んでいる人も多く、そのためか真面目で意識が高く、しっかりした印象を受けます。


就活で評価されるかどうかで言えば、それはビジネスとの関連性が見出されるような仕事をしていたか、で大きく変わるような気がします。
新卒採用において、企業はどんな団体に属していたか、ではなく、どんな仕事をどのように行なっていたのか?それはビジネスに役立つのか?で判断します。

例えば、上述の資金集めのように大人と交渉して成果を出していた、リーダーとして大きな企画を実行していた、などであれば、その経験がビジネスの世界でも応用可能と判断されて、就活でも高評価につながるでしょう。

一方でただ団体に所属していただけで主体的に行動した実績がないのであれば、例えいくら名のしれた学生団体に入っていたとしても、それだけでは優秀さをアピールすることはできません。


就活で評価される活動3:海外留学

また、学生時代に海外留学をした、ということをアピールする学生も多いと思います。
日本の大学から飛び出して、世界各国の学生と切磋琢磨できる機会は貴重だと思いますし、グローバル化が叫ばれる中、高い英語力に加えて、異国で文化の違いなどを乗り越えた経験などを持つ学生は、企業にとっても魅力的に映るのでしょう。

海外留学する学生は、そうでない学生より評価される部分は確かにあると思います。しかし、海外留学経験者は外資系企業や総合商社、グローバルメーカーなどの人気業界に集中する傾向があり、留学経験者の中での競争にさらされることになります。

日本人の海外離れが進んでいるというような報道もある一方で、グローバルな事業を展開している会社からすれば、海外経験を積んでいる学生が受けに来ることは特に珍しくもなんともありませんので、海外留学中にどんな挑戦をしたのか、どんな成果を出したのか、などなどの話で差別化する必要がありそうです。

余談ですが、海外留学経験者という枠ですと、英語以外の外国語を習得していると、格段に希少価値が上がり選考も有利に働く気がします。

筆者の周りでも、ドイツ、フランス、中国などに留学して、英語プラスその国の言葉を扱えるようになった学生は就活でも強い印象を受けます。もっとも、最後は個人次第ではあります。


就活で評価される活動4:起業

留学、学生団体等と比べるとまだまだ少ないとは思いますが、学生時代に起業したことをアピールする学生も近年は増えてきています。
SNSの発達などを背景に、webメディアでの起業などは昔と比べるとハードルが下がってきていますし、またプログラミングが得意な学生などは、自分でプロダクトを作ったりもしています。
いずれにせよ学生時代から何かしら事業を起こして、マネタイズに成功したのだとしたら、その優秀さは企業からも大いに評価されるでしょう。


ただし、企業の就活をする場合、自分で起業したのに何でウチに来たいの?て思われてしまう可能性もあります。
業界ごとで言えば、総合商社やメガベンチャーなど、事業を新しくどんどん作っていくことが求められている業界では歓迎される傾向がある一方で、インフラ関連や銀行など保守的と言われる業界では「ウチとは合わないな」となってしまうかもしれません。

これは人から聞いた話なのですが、新聞社含め複数の企業から内定をもらったある学生は、新聞社向けには「アルバイトを地道に頑張った」エピソードを、ベンチャー企業などを受ける際には「起業をしてマネタイズに成功させた」エピソードを話すといったように、相手企業に合わせて使い分けていたそうです。


就活で評価される活動5:長期インターン

さて、ここまで色々な活動を比較してきましたが、筆者がオススメしたい、また、就職活動で評価されやすいだろうと思うのは「長期インターン」です。


長期インターンとは、大企業が夏休みや冬休みにやっている1日~5日程度の短期のインターンではなく、例えばベンチャー、スタートアップ企業が3ヶ月以上のスパンで学生を雇い、実際の社員と一緒に机を並べて、仕事をさせるものです。

業種も様々ですが、営業やマーケティングなど仕事開始時点では特別高度なスキルを求められない仕事を担当する場合もあれば、エンジニアやデザイナーとしてほぼ即戦力レベルで働くような場合もあります。

どのようなインターンを経験するかにもよりますが、就活に関して言えば、基本的に幅広い企業に評価されやすいのが長期インターンです。

企業の採用基準は、具体的な判断基準は企業によりけりでしょうが、基本はどこも「自社のビジネスで活躍できるかどうか」を見ています。この点、長期インターンで実践的な仕事を経験してきた学生の場合、「どんな業務を」「どのように行い」「どんな成果を出したか」が語る事ができます。
したがって、話を聞く面接官も「この学生は××の仕事を任せたら活躍しそう」という風に具体的にイメージする事ができるようになるのです。


付け加えると、自分自身が企業を選ぶ際に、「ミスマッチを防ぐ」という点で、長期インターンは大いに役立ちます。
仕事の結果(仕事をした後に残るもの:例えば「新興国に鉄道を作る」など)は外部から見えやすい一方で、実際の仕事の中身(結果に至るまでの過程:例えば、「車両を作る資材を調達する」「見積書を作成する」など)はなかなか見えにくいという実態があります。

そのギャップに対して、長期インターンで仕事の中身を経験することで、自分が本当にやりたいことは何なのか?どのような事が得意なのか?を明らかにする事ができるので、ミスマッチを防ぐ上で大いに役に立ちます。

以上が、私が長期インターンをお勧めしたい理由になります。皆さんが、学生時代にいろいろなことに取り組んで、実りある学生生活を送れることを願っています。