就活時における自己紹介とは

就活の面接では、 自己紹介 を求められることもあります。

面接官から自己紹介を促されたとき、事前に準備をしていないと「何を話せばいいのだろう」と焦ってしまうもの。さらに 「1分間で自己紹介をしてください」 と、話す時間を指定されることもよくあります。準備をしていないと、1分間がどのくらい話せるものなのかわからず困ってしまうことも…。

また時間の指定がない場合も、基本的に1分程度で話せるといいでしょう。

面接時の自己紹介は、はじめのあいさつであり、自分のプロフィールを伝えるものです。能力や長所を伝えて自分を売り込む「自己PR」とは違うことに注意しましょう。ただ、売り込むとまでは言わずとも、自己紹介によって相手に興味を持ってもらうために、関心を引くようなキーワードを盛り込むことは意識すべきです。


そもそも面接官は自己紹介で何をみているの?

「プロフィールならエントリーシートに書いてあるのに…」と思うかもしれませんが、面接官は自己紹介で見ている点があります。


まず1つ目は、面接官は自己紹介の様子を通じて「どんな人なのか」を見ています。

誰でも、初対面の人に対しては「この人はどんな人なのだろう」とちょっと身構えるものです。それは就活時の面接の場でも同じです。話す内容以外にも、話し方や声のトーン、視線、表情など、文字では伝わらないそれぞれの特徴が出ます。1分という時間でも、その人の印象というものはハッキリと出るものです。

2つ目に、意思疎通が図れるかどうかも大事なポイントとされています。

具体的には、質問の趣旨に沿った返答ができるかどうかです。「自己紹介をお願いします」と言われたら、自己紹介を。「お名前と大学名を教えてください」と言われたら、名前と大学名を答えればいいのです。

当たり前のことのようですが、聞かれたこととは違うことを話していたり、聞かれた以上のことを長々と話していたりと、意外とできていない就活生の方がいます。面接官の聞きたかったことと回答がずれてしまうと、コミュニケーションスキルが不足していると捉えられてしまうので気をつけましょう。

3つ目に、自己紹介で自分という人物を伝えられているのかどうかを見ています。

自己紹介の内容は、自己分析にかけた時間や、要領を得た説明ができているのかといったことが伝わります。誰にでも当てはまりそうな内容、結局なにが伝えたかったのかわからない内容では、その人に興味を持てませんよね。自分自身の言葉で伝えることができれば、きっと相手にもあなたの魅力が伝わるでしょう。

面接官は採用のプロとして、これまでに何十人、何百人…と就活生を見ています。自己紹介だけで全ては判断されませんが、印象は変わってきますので、しっかりと取り組みましょう。ただ、プレッシャーに感じる必要はなく、お互いの緊張をほぐすためにまずは自己紹介を実施しているという側面もあります。いわゆる 「アイスブレイク」 であり、面接を円滑に進めていく役割を持っています。


就活時の自己紹介で話すべき内容と気をつけるべき5つのポイント

自己紹介で何を話せばいいのかというと、必要な情報を伝え、なおかつ自分の特徴を知ってもらえる内容にしましょう。


例えば、 「大学、学部、学科名」 「氏名」 は必ず伝え、その他に、

・大学で学んだこと、専攻

・サークル活動、学外での活動

・アルバイト経験

・趣味や特技

・性格や長所

など、自分を知ってもらえること、アピールできるものを盛り込んでください。大学で何を学んでいたのかは就活で重要視されるところなので、自己紹介で触れておきましょう。そして「 なぜこの企業を志望したのか 」を端的に伝え、面接官へのあいさつで自己紹介を終えましょう。


気をつけるポイント①:なんでもかんでも盛り込みすぎると内容がぼやける。

「大学では経済学を専攻し、テニス部では副部長をしながら、レストランのキッチンでアルバイトをしていました。」と言われても、その人の姿が見えてきませんよね。なので、伝えたいことは絞りましょう。

気をつけるポイント②:具体性を大切に!

また、アピールの根拠となる説明や具体性は大切です。「~を頑張りました。」だけでは内容が薄いと感じられてしまいます。どう頑張ったか、どれくらいやったか、結果どうなったのか、といったことを考えてみると説得力のある話になります。

気をつけるポイント③:エントリーシートや履歴書に記載したことと食い違わない

面接官の方は、事前に提出したエントリーシートや履歴書を見ながら面接をしています。エントリーシートや履歴書に書いた内容と大きく異なるならないように気をつけましょう。

気をつけるポイント④:話し過ぎには注意!

面接は時間も限られています。またアピールに熱が入りすぎると自己PRになってしまいます。聞きたかったこととは違う内容を長々と話されたら、面接官も困ってしまいます。まずは話に興味を持ってもらうことを意識して簡潔に伝えましょう。

気をつけるポイント⑤:丸暗記はしない!

事前に自己紹介の内容を考えるのはもちろんなのですが、そこで丸暗記をしないようにしてください。就活の面接は慣れない場であり、緊張してしまうものです。丸暗記したことが飛んでしまったら、頭が真っ白になり何も話せなくなってしまいます。

その上、暗記したことを間違えないように話している姿は、相手は気づきますし、暗唱している様子が気になって内容が入ってきません。丸暗記ではなく、自己紹介の内容を箇条書きにメモして、それを組み立てながら話す練習をすると良いでしょう。


また最後に、面接全体に言える基本的なことではありますが、 話すスピードや視線・表情、姿勢 にも気を遣いましょう。

心地いい話し方や、ナチュラルな笑顔は練習すれば上達します。視線や姿勢も、意識すればできるはずです。

頑張って考えた内容を面接官に魅力的に伝えられるように、これらのことも気をつけてみましょう。


就活で使える!1分間自己紹介例

これまでの内容を盛り込み、具体的な自己紹介文をつくるとこのようになります。

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○○大学△△学部□□学科から参りました、●●●●です。


大学ではブランディングについて学んでおり、特にWeb広告の活用に興味を持っていました。3年生のときには、ベンチャー企業の新サービス普及を目指す産学連携活動に取り組み、SNS上で広告によるアプローチを試みていました。


学業以外では、海外旅行が好きでアジアを中心にいろいろな国をめぐりました。英語での日常会話ができるようになり、言葉の壁を感じずに様々な価値観を持った人と触れ合えるおもしろさを知りました。


常に新しいことへのチャレンジを続ける御社のスタイルに魅力を感じ志望しました。本日はよろしくお願いいたします。
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1分間話す場合、文字数の目安は300字です。

上記はあくまでも例であり、必ずこの形にするというものではありません。自分のことをどう話せば伝えられるのかを考えた上で、参考にしてみてください。30秒間や2分間という時間設定をされることもあるので、その場合に備えて削る箇所や付け足す内容を考えおくと良いでしょう。


最後に

面接の場では誰もが緊張するものです。ましてや初めの自己紹介は場も温まっていないので、余計に縮こまってしまうものです。面接官も就活生が緊張していることに対して、マイナス評価をつけたりしません。ちょっと言葉を間違えたり、考える時間があったりしても問題ないです。自己紹介でスムーズに話せなかったとしても、それだけで面接の合否は決まりません。ただ、自己紹介がしっかりできていれば印象がいいですし、その後の会話も進みやすくなります。


是非、面接の前に、箇条書きで整理した内容を実際に口に出して練習してみてください。スマホ等の録音機能や動画撮影を使って、自分の話す内容を確認してみることもオススメです。のびのびとあなたらしさが伝わる自己紹介で、面接を気持ちよくスタートさせましょう。