就活において「持ち駒」とは、エントリーシートを提出した企業や現在進行形で選考が進んでいる企業、二次選考に残っている企業などのことですが、この持ち駒が無くなってしまうと精神的にツライですね。でも、そんな時にパニックにならないように、今のうちから持ち駒が全滅してしまったらどうしたらいいのかを考えておきましょう。

そもそも就活生の平均的な持ち駒の数とは?

そもそも、就活生の平均的な持ち駒の数にはどれくらいなのでしょうか?これは回答するのが難しい問題です。なぜなら就活中に就持ち駒の数は変化するからです。選考に残っている企業が多い人の場合は持ち駒が多くなります。逆に選考の序盤で落ちてばかりいる人は持ち駒がすぐに少なくなってしまいます。就活中に新たに持ち駒を増やす人もいます。ですから、就活生の持ち駒の平均的な数を示すことはできません。

ただ、就活生の平均的なエントリー数については知ることができます。「マイナビ」が2018年卒の就活生を対象に実施したモニター調査によると、エントリー解禁時期の2017年3月の時点で、就活生の平均エントリー数は約27社となっていました。

さらに、エントリー解禁から4ヶ月後の2017年7月のモニター調査によると、就活生の累計エントリー数の平均は、約40社でした。2017年3月の調査以降に追加で平均13社のエントリーをしたことになります。ただ、この約40社という数は過去10年間で最も少ない値となっています。これには、ここ数年で景気回復が進み、企業の求人が増えたことが影響していると考えられています。就活生はたくさんのエントリーをしなくても内定をもらえる確率が増えたということです。

いずれにしても、エントリー解禁時期のエントリー数の平均、つまり就活スタート時点での持ち駒の数の平均は27社くらいということを覚えておきましょう。ここから就活を勧めるにつれて持ち駒の数が増えたり減ったりする訳です。平均と同じ数の持ち駒で就活をスタートさせる必要は必ずしもありませんが、目安・参考にはなるでしょう。


就活中、持ち駒が全滅した時にすべきこと

では、就活中に持ち駒が全滅してしまったらどうしたいいのでしょうか?下記の対策があります。

■自己分析をし直す

最初にするべきなのは自分を見つめ直す、つまり自己分析を改めて行なうことです。自己分析の仕方が甘いと自己PRや志望動機に説得力がなかったりします。自己PRや志望動機はエントリーシートや面接で必ず聞かれる事項です。これらの文章や説明に力がなかったために失敗している可能性があります。

さらに、自己分析を改めてじっくり行なうと、そもそも自分に合った企業にエントリーしてこなかったことに気づくことがあります。自分の適性について正しい見極めができていなかったことに気づくのです。その場合はエントリーする企業や業種について再考する必要があるでしょう。

■落ち着いてこれまでの選考を振り返る

落ち着いて「これまでの選考で何が良くなかったのか」「どこに問題があったのか」を考えるようにしましょう。

例えば、エントリーシートを見返して、内容に問題はなかったかを考えましょう。先に挙げた自己分析をやり直すことで、エントリーシートにどんな変更を加えたら良いかが見えてくると思いますので、必要に応じて書き直しましょう。また、大学のキャリアセンターや就活コンサルタントなどに添削をお願いすることもできます。

また、面接に問題があった可能性もあります。面接では受け答えの内容はもちろん、身なり、顔の表情、声のトーンや視線なども見られています。面接で何が悪かったかを分析し、改善するようにしましょう。面接での問題点は自分で気づくのが非常に難しいので第三者にチェックしてもらうことが有効です。

■エントリー数(持ち駒)を増やす

そもそもエントリーする数が少な過ぎて、すぐに持ち駒が全滅になってしまったという就活生もいることでしょう。エントリー数が少ないのは大抵、特定の業界のみにエントリーしていたり、条件を絞り過ぎたりしているからです。

しかし、エントリーする企業を絞り過ぎると、それらの企業の業界が自分の適性に合っていない場合にことごとく落とされて就活がうまくいきません。ですから、エントリーする企業を増やすことも大事です。

エントリー数(持ち駒)を増やすためにすべきこと

では、エントリー数(持ち駒)を増やすためにはどんなことができるでしょうか?

■隠れた優良企業を探す

広い視野を持って、いろいろな業界や企業について研究すれば興味を感じる企業が出てくるでしょう。特に「隠れた優良企業」を探すことは大切です。なぜなら、持ち駒がゼロになった時点で、大手の企業や人気のある企業の採用活動は終了しているかもしれないからです。

この点、「BtoB企業」を探すのは1つの方法です。「BtoB」とは「Business to Business」の略で、BtoB企業とは法人(企業)の顧客を対象としたビジネスを行う企業のことです。例えば、鉄や繊維などの材料を販売するメーカーです。ちなみに一般の消費者向けにビジネスを行う企業を「BtoC企業」と言います。「BtoC」は「Business to Consumer」の略です。

基本的に言って、BtoC企業の方がBtoB企業よりも知名度が高いです。BtoC企業は一般消費者向けにビジネスを展開しており、私たちにとって身近な存在になりますので、知名度が高いのは当然ですね。ですから、BtoB企業の場合は、業績が好調だとしても知名度の低さゆえに人がなかなか集まらず、採用活動を遅くまで続けている場合がありますし、内定も獲得しやすいことがあります。

また、大手企業のグループ会社に目を付けてみることもできます。大手企業の傘下にあるだけあって待遇面で充実している一方、知名度があまり高くなく、募集を遅い時期まで続けていることがあります。

■大学のキャリアセンターに行く・大学主催の合同説明会に参加する

大学のキャリアセンターでは求人紹介や進路相談などの就活サポートを行なっていますから、それに頼ってみることもできます。一部の大学にしか公開されていない求人についての情報を得ることもできるかもしれません。

また、大学によっては比較的遅い時期まで企業の合同説明会を開催していることがあります。「この大学の生徒であれば採用レベルにある」と判断している企業がそれに参加するわけですから、内定につながるエントリーをできる可能性があります。

■就活エージェントを利用する

「就活エージェント」を利用するという方法もあります。就活エージェントとは、学生と企業を仲介する民間の就活サポートサービスのことです。就活のプロが企業探しから内定に至るまでサポートしてくれます。ですから、就活エージェントに相談すれば新たにエントリーできる企業を見つけ出して持ち駒を増やすことができるかもしれません。

■スカウトサイトを活用する

就活生にとって便利なことに「スカウトサイト」なるものが存在しています。スカウトサイトとは、自分のプロフィールや今までの就活経験を登録すると企業側からオファーが来る仕組みを提供している就活支援サイトのことです。企業側からオファーが来ますので、思いもよらない企業との出会いがあるかもしれません。

まとめ

今回は、就活中に持ち駒がゼロになってしまった場合の対策について考えました。就活中に持ち駒が一旦ゼロになったとしても焦る必要はありません。落ち着いて今回取り上げた方法を実践して、持ち駒を回復させ、内定につなげましょう!