1.なんで自分史って振り返るべきなの?



就活に自分史を活用する人が増えています。
なぜ、自分史を振り返るほうがよいのでしょうか。それは、自分史が自己分析のツールとして活用できるからです。就活では、自己分析を行うことは必須です。自己分析する場合、今の自分がどんな自分なのかを確認することも大切ですが、今の自分だけではなく、過去の自分も分析することで、自分自身をより深く知ることが可能です。
たとえば今の自分が忘れていることも、自分史があれば過去の自分を再発見することもできます。過去から現在までの自分をしっかり分析をしておくと、面接官から「強みは何ですか?」と質問された際にも、スラスラ答えられる点も大きいです。

また、自分史を作ると、いつでも自分の原点を確認できるメリットもあります。特に初めて就活をする学生にとって、就活の厳しい現状を目の当たりにすることや、内定を獲得した周囲への焦りなど、さまざまな苦境にぶち当たってしまうことも少なくありません。
自分史があれば、迷った時いつでも自分自身の強みを再確認でき、自信を取り戻させてくれるツールにもなります。その結果、自分のペースで就活を進めやすくなり、就活の方向性もブレにくくなります。

自己分析や、自分の原点を確認する時に役立つ自分史。就活を始めるなら、自分史を作り、しっかりと振り返りを行う時間を作っておいて損はありません。次からは、自分史の振り返り方法をお伝えします。

2.自分史の振り返り方法

振り返り方法は、主に2つです。1つめは時系列順に過去から現在まで経験した出来事を書き出すこと、2つめは、それぞれの出来事に関して自分が感じた内容を書くことです。どのような作業になるのか、具体的にご紹介します。

2.1時系列順に過去の経験を書き出す

自分が経験してきた出来事を、過去から現在の順で書いていきます。自分の記憶にある過去からで構いません。ここで大切なことは、一生懸命がんばったことや夢中になった経験です。たとえば、小学校時代に夏休みの宿題に夢中になった、テストで100点を取れるようにがんばった、表彰された、学級委員をやったなど、いろいろな経験があると思います。

経験したことの中には、結果的にうまくいかなかったこともでてくるでしょう。そんな場合でも、一生懸命やったことなら書き留めておいてください。勉強だけではなく、遊びで夢中になったこと、当時の将来の夢、恩師との思い出もあれば書いておきましょう。同様に、中学時代、高校、そして今に至るまでの出来事をじっくりと思い出しましょう。必要であれば、勉強・部活・バイトのように、項目分けもおすすめです。過去がよく思い出せない場合は、小学校・中学校で最低2つずつくらいを目標に、書いてみてください。

2.2出来事に対して自分はどう感じたのか

出来事を書き出し終えたら、出来事に対して感じたことを思い出し、書き留めていく作業に移りましょう。人は同じ出来事が起こっても、感じ方はさまざまです。それは人それぞれ大切にしている価値観が、異なるからです。感じたことを書き出すのは、自分の価値観を知るための作業になります。就活において重要なのは、自分の価値観に近い会社に、就職することです。そのため、1つ1つの出来事に対しどんなふうに感じるのかを見逃さず、記憶に残すことはとても重要といえます。

たとえば、「学校の勉強をがんばって、志望校に合格した」という過去があったとします。おそらく、うれしいという感情でいっぱいだったはずです。でも絶対受かる安全圏の学校ではなく、偏差値38から偏差値70の最難関校に挑戦して、合格したという状況だったとすると、どんな喜びになると思いますか?合格の理由には、単にがんばっただけではなく、学校や塾の先生からのサポートもあったかもしれません。あるいは、学習計画を立てて1人でコツコツと勉強してきたという人もいるでしょう。合格にたどり着くまでの過程には、さまざまな出来事も経験しているはずです。

感じたことと合わせて、なぜうれしいと思ったのか合格までの過程も思い出しましょう。成功するまでの過程には、就活に役立つヒントもあると考えてください。いったいどんなヒントがあるのでしょうか。

2.3感じたことが会社選びにも役立つ理由とは

志望校に合格した例を参考に過程を振り返ってみると、先生という第三者がいたから、目標を見失わず頑張れて結果を出せたという場合には、一人でやる仕事よりも、チームでやる仕事で成功しやすい傾向があると考えられます。すると、協調性を重視する会社に就職しやすいのでは?という検討がついてきます。
また偏差値38からの挑戦という経験を生かせば、無理そうな仕事でも、社員にどんどん仕事を任せてくれる社風の会社にも向いている可能性もあります。さらに、うれしいという感情でも、先生や両親のためにといった、他人への喜びが自分の喜びに思えている場合もあると思います。すると、お客様の笑顔が近くで見られる環境の職場も、候補に入ってくるでしょう。

以上のように、どう感じたのかを具体的に思い出せば、どんな仕事に向いているのかがわかる上、面接官が思わずうなずく熱い自己PRができるようになります。経験してきた出来事を書き出し、それぞれに感じたことや、その過程を書いていく大切さは理解できましたか。次は振り返りに関してのポイントもお伝えしますので、よりよい自分史を完成させていきましょう。

2.4振り返りに関してのポイントは「感情の共通点」

先ほど、自分が感じたことを書き出していくと、自分の価値観がわかるとお伝えしました。価値観をより明確にするためのポイントは、”共通して感じたこと”です。たとえばいくつかのうれしかった経験を掘り下げると、自分がどんな時に喜びを得やすいのかという特徴がわかります。自分に合う仕事を見つけるなら、仕事をしていてたくさんうれしいと思えるような仕事が向いています。

2.5嫌な経験も振り返りのポイントに入れる理由とは

過去を振り返れば、「こんなことにムカついた」「こんな人は許せない」というネガティブな感情をもった経験もあるでしょう。それも、自分の価値観の表れです。自分史では無理に嫌な経験を思い出す必要はありませんが、ネガティブな感情を振り返ると、自分が守りたいものや何を大切にしている人間なのかというのもわかります。いろいろな角度から、自己分析をしておけば、長所や短所が質問される面接にも堂々と臨めるようになります。向いている仕事とそうではない仕事の判別もしやすくなりますので、時にはネガティブな感情にも目を向けてみるのもよいでしょう。


3.自分史を活用するときのポイント



自分史ができたら、どのように就活に活用すればよいのか、具体的な活用方法についてお伝えします。自分に合う会社を見つけるなら、自分が働いてみたいと思った会社を研究することは必須です。「大手だから」「安定していそうだから」という安易な理由で選ぶのではなく、”どれだけ自分に合う会社か”がポイントです。それを見極めるため、自分史を活用します。

自分史と会社のWEBサイトや、パンフレットを用意し見比べます。最初に会社の理念に注目します。理念では、会社の考え方や社会的な役割などが掲げられていることが多いです。理念が自分の大切にする価値観と合うか合わないか、価値観に近いかどうかをじっくりと考えてみてください。自分史で書いた「自分が感じたこと」を参考にしてみましょう。
次に採用ページなどで、求める人物像をチェックします。人物像として近い人ほど選ばれやすくなります。自己分析ができていれば、感覚的に合いそうかどうかがわかります。最後に、業務内容を確認しておいてください。自分の強みが活かせそうな仕事なら、向いていると判断できます。自分と合うかがわからない業務は面接で質問する内容として、チェックしておきましょう。

4.自分史を活用して内定を勝ち取ろう!

就活は、どんな会社に行こうかよりも、自分がどんな人間かを知ることが先です。そもそも自分史とは、自分の人生の歴史を書き起こしたものです。築いてきた歴史の中には、現在にも役立つヒントが眠っています。満足のいく結果につながるよう、自分史を活用していきましょう。