ゼミに入っていないからといって不利にはならない

履歴書やエントリーシートにゼミについての記載項目があったり、面接で研究内容について聞かれたり、就活における「ゼミ」の重要性は気になるところ。「深い理由もなくゼミに入ってしまった」「ゼミに入っていない私は他の人よりも不利になるのでは?」と不安になる人も少なくないでしょう。ゼミはアピールの材料にはなりますが、入っていないことが就活で不利に働くようなことはありません。

なぜゼミに入っていなくても問題ないかというと、企業が選考でチェックしているのはあくまでも学生の人物像や入社意欲であって、大学のゼミでどんな課題を研究していたのかを重視しているわけではないからです。文系学生に関して言えば、ゼミでの研究を入社後すぐに活かせるわけではありません。企業もそんな即戦力のようなことは期待していませんし、事業内容・業務内容とピッタリ合った課題を研究してきた学生などほぼいないでしょう。入社して仕事をしていくことで、大学で学んだことを徐々に実践に活かしていけるようになるのです。企業が知りたいのは、大学生活などを含め「これまでに何をどう頑張ってきたのか」ということです。ゼミに入っていた人は、確かに何か課題を設けて研究してきたでしょう。そこで大切なのは所属していたゼミの特徴や成果ではなく「どう取り組んだのか」です。取り組みの工夫や努力、熱意を伝えられれば、ゼミの話である必要はないのです。

面接でもゼミ限定の話をされることはほぼないでしょう。もしゼミについて聞かれた場合、企業の意図としては「ゼミへの取り組み姿勢から人物像を知る」「大学でどんなことを学んでいたかを把握する」「学生自身が話しやすい話題を提供するアイスブレイクの時間」といったことが挙げられます。結局は学生のことをもっとよく知るための質問なので、ゼミに入っていない人はゼミ以外での頑張りを示せればいいのです。ゼミには入っていなかったがインターンを頑張った、授業を頑張った、アルバイト、部活、なんだって大丈夫です。

ゼミに入らなかった理由を聞かれた場合でも、合理性があれば大丈夫です。なぜゼミに入らなかったのか、他学生がゼミに充てている時間をどう使っていたのか、ポジティブな話ができるように準備しておきましょう。面接官もゼミに所属していないことを、そこまで気にしていません。「どうしてゼミに入っていなかったんですか?」と聞かれても、それは他の話を引き出すための質問であると捉えましょう。入らなかった理由を追及しているわけではありませんので心配はいりません。

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ゼミが重要になってくる場合

ゼミに所属していないことが不利にはなりませんが、ゼミが就活で重要になってくることもあります。
一つは、理系学生の場合です。専門職を志望する場合、入社時にある程度のレベルが必要とされることがあります。このときは「ゼミでどんな知識やスキルを習得したのか」を面接官にしっかり伝えなければなりません。エントリーシートでは、ゼミ・専攻についての記載欄も文系学生より大きくなっていたりします。自身の専門分野をそのまま仕事として志望する場合には、ゼミでの研究が選考における判断材料になることがあると知っておきましょう。

そのほか、ゼミが就活で重要になる例としては、「グループワークやプレゼンの経験が評価になるとき」などです。普段の授業ではなかなか経験しませんが、ゼミ生なら必ずと言っていいほど経験しているのがグループワークやプレゼンです。ディスカッションにおける発言力、説得力、コミュニケーション力などは社会人になったときに存分に活かせます。選考の中には、面接官に向けてある商品をプレゼンするといったものもあります。学生のそういった能力に注目する企業では、ゼミで学んだことが重要になるでしょう。

また、ゼミに入っているとOB・OGとのコネクションが使えることもあります。ゼミの卒業生が社内選考を有利に進めてくれるなんてこともあるので、そういった情報を事前に仕入れてゼミを決めている人もいるでしょう。

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ゼミをアピールするには?

就活でゼミをアピールしたい場合、入っていたという事実や実績だけを伝えても意味がありません。何をどう頑張ったかを具体的に伝える必要があります。「ゼミのみんなでこんなことを達成した」という話をしても、それは自身の魅力には結びつきません。自身をアピールするには情報が足りていないからです。そのときどんなポジションで活躍したのか、周りにどう影響を与えたのかが言えるとアピールとして成立してきます。ゼミに入っていても「文学作品の研究ばかりしていた私は就活で不利だ」なんて思う人もいるでしょう。実際そんなことはありません。先述したように、たとえばマクロ経済についてゼミで研究した人でも、入社後にゼミで得た知識をもとに仕事を進めていくわけではありません。始めはみんな同じようにビジネスマナー研修を受けたり、先輩に仕事の進め方をイチから教わったりするものです。ゼミは「私はこんな人間なんです」というアピールをするための材料なので、文系学生は何を研究していたのか深く気にすることはありません。

ゼミでの取り組み姿勢を伝えるには、抽象的な表現は避けましょう。「様々なことに熱心に取り組みました」や「多くのことを学ぶことができました」という伝え方では、リアリティがなく、その人なりの頑張りが伝わりません。どうしてやろうと思ったか、目標に向けて何をしたか、どう学んだか、どのくらいの時間をかけたか、資料の枚数、エピソードなど、取り組み姿勢が伝わる工夫をしましょう。また、アピールで大切なのが、ゼミでの経験が「自身の強みになっているか」「今後にどう活かせるか」という点です。入社意欲も重要視される就活だからこそ、ゼミをアピールするにも自身が企業に貢献できるかどうかという視点で考えると良いでしょう。

そのほかの注意点としては、ゼミの説明に終始してしまわないようにしましょう。理系学生が専門職や研究職を目指して、その職種の人たちにゼミについてのアピールをするのなら、専門用語も使いながらそもそもどういうゼミに入っていたのかを話すべきでしょう。一方で、その分野を知らない人や関心のない人に専門用語を使ったりしても伝わりませんし、用語の解説ばかりしていると話が進みません。ただのゼミ説明になってもいけないので、どの程度までゼミの詳細を伝えてから自分の取り組みを話すか、という点を事前に練っておきましょう。

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まとめ

就活で大事なのは人物像と入社意欲です。それがアピールできるのであれば、ゼミに入っていなくても不利になるようなことはありません。ゼミ自体が就活で重要視されているわけではないので、学生から話さない限りゼミについて触れられないときも多くあります。また、大学はゼミだけが勉強の場ではありません。自分なりにスキルを身につけたり、資格を取得したり、ゼミ以外での頑張りようはいくらでもあります。ゼミの代わりになる話で、自身のことをアピールしていきましょう。ゼミをアピールしたい人は、ゼミの説明に終始するのではなく、自身の取り組みが具体的に伝わるようにエピソードなどを交えながら話すように心掛けてください。就活において、ゼミはアピールの手段であり、絶対条件ではありません。企業側の意図を知り、ゼミの話をどう展開していくのかを考えていきましょう。

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