就職活動で間違いなく最も重要な場面が、面接です。
そして、就職の面接に際して誰もが頭を悩ますのは、自己PRではないでしょうか?
何を話せばいいのか、どれくらいの時間を割けばいいのか、面接官に好印象を与えるためにはどうしたらいいのかなど、悩みは尽きないかもしれません。
ここでは、そんな就職活動の大きなハードルである、自己PRのアピール方法とコツについてお話ししたいと思います。
これから就職活動を始めるという方は、ぜひ参考になさってください。


1.そもそも自己PRとは?

そもそも自己PRとは何なのでしょうか?
そして、何のためにするのでしょうか?
良く勘違いされるのですが、自己PRは自己紹介とは違います。
その違いについて、ご説明します。

■自己紹介とは?
自己紹介は、あなたのキャラクターや人柄など基本的な情報を面接官に伝えるための、導入説明になります。
面接官が自己紹介から読み取るあなたの情報は、コミュニケーション能力の有無やどのような情報を選ぶかというセンス、人柄です。

例としては、次のようなものがあります。
「○○大学情報通信科から来ました。○○と申します。
得意な言語はC言語、Java、PHPです。
プログラミング言語の習得のために日々技術を磨き、各言語で〇stepレベルのコーディングができます。
情報通信系の大学で基本的なことは学んでおり、応用情報技術者試験を取得済みです。
普段から触れているため、IT系の技術の習得をするのは苦ではありません。
これからも、新しい技術をどんどん取り入れていきたいと思っております。
御社では、様々な言語を駆使して常に新しいシステムを開発しているとお聞きしました。
新しい物好きの自分としては、とても魅力的な環境だと思っております。
ぜひ、御社で働きたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。」
ここでは、持っているスキルをざっと説明し、特に面接官に伝えたい「勉強できる」という点についてしっかりとアピールしています。

■自己PRとは?
一方で、自己PRは、あなたという人物のプレゼンテーションです。
あなたがどのような人材なのか、スキルや能力、過去の経歴などを知ることで、あなたという人材を採用することで企業にどのようなメリットがあるのかを知るためのものになります。
面接官が自己PRから読み取るあなたの情報は、あなたが持つスキルや能力、過去の経歴、仕事に対する姿勢などになります。
例としては、次のようなものがあります。
「○○大学経済学部から来ました、○○と申します。
私は大学で小売業に対するマーケティング手法を専門に研究しております。
具体的には、メーカーなどで商品を扱ってくれる店舗数を増やすために、各店舗の客層の調査を重点的に行う重要性や、店舗ごとにことなるニーズを把握する手法などについて実例を研究しました。
また、ボランティア活動サークルでは多くの仲間と協力して、海岸清掃や老人施設への慰問などのイベントを成功させました。
その過程で、人と協力し相手を喜ばせるための営業力の基本を学びました。
御社に入社できましたら、大学で学んだマーケティングに関する知識と手法、サークル活動で培ったコミュニケーション能力を生かして、営業として活躍したいと考えております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。」
ここでは、過去の仕事の実績で最もアピールしたい内容について、しっかりとアピールしています。
自己紹介と自己PR、並べてみてもあまり大きな違いはないなと思った人もいるかもしれません。
確かに、かぶる部分はあるのですが、自己紹介は最初に広い視点で自分のことを知ってもらうためのもの、自己PRは自分が一番アピールしたい部分に絞って強くアピールするものです。
その違いを、正しく理解してください。


2.面接での自己PRの際の効果的なアピール方法

面接で自己PRをする際に、どうすれば効果的に面接官に自分の魅力をアピールすることができるのでしょうか?
アピールする際のコツについて、アドバイスしたいと思います。

2.1表現する内容についてのコツ

自己PRする際に取り入れるとアピール効果がぐっと高まる、表現内容の選び方のコツをご紹介します。

■企業のニーズに合った内容を選ぶ
例えば、企業は営業ができる人材を求めているのに、「作業を黙々とこなすのが得意です」などということをアピールしても、意味がありません。
企業のニーズに合った内容を自己PRに選びましょう。

■具体的なエピソードを加える
表現する内容ですが、「ある人から本当に言われた言葉なのですが」「こんな大きな問題が起きたのですが、このようにして収束させました」などという、具体的なエピソードを加えるとより話が面白くなり、面接官が引き込まれる自己PRになります。
あまり抽象的な内容ばかりだと面接官に話が伝わりにくいですし、すぐに興味を失ってしまいます。
具体的なエピソードを交えて、面接官にわかりやすく物事を伝えるようにしましょう。

■社会人として当たり前の内容を省く
「私は時間を必ず守ります」「顧客に対し丁寧な対応をします」などという、「社会人として当たり前の内容」をアピールする人がいますが、逆効果です。
そのような当たり前の内容は省きましょう。

■それって仕事に関係ある?という内容は入れない
「私は大変几帳面で、整理整頓が得意です」などというアピールをされても、「だから何?」と思われておしまいです。
仕事に関係のないアピールは、ウケ狙いでもなければ必要ありません。

2.2表現方法についてのアドバイス

自己PRする際に取り入れるとアピール効果がぐっと高まる表現方法についてアドバイスしたいと思います。

■アピールしたいことを一つに絞る
自己PRというと、あれもこれもと多くの情報を詰め込み過ぎる人がいますが、これは逆効果です。
情報が多すぎることで内容がぼやけ、結局あなたの何がすごいのかが伝わらないからです。
一番アピールしたいことを一つに絞りましょう。
そうすれば、あなたが最もアピールしたい重要なことが、面接官の頭の中にしっかりと残ります。
他にもアピールしたいことがあれば軽く触れる程度にしておき、面接官からの質問を待つのが良いでしょう。

■客観的な評価やデータを取り入れる
いくら、「私の営業能力はかなり高いです!」「プログラミング能力は学部内でもトップレベルでした!」などと強くアピールしても、面接官にはイマイチピンときません。
なぜなら、本人の主観による情報しかないため、本当にすごいのかどうかということが面接官には全く分からないからです。
そんな時は、客観的な評価やデータを取り入れましょう。
「大きなイベントを成功させた」「教授から君が最もプログラミング能力が高いと言われた」などという客観的な評価や、「イベントで三百人以上集めた」「〇stepのコーディング能力」などという客観的な数字データを取り入れるのです。
そうすることで、よりアピール内容に真実味が出ます。

■面接官にアピール内容の凄さがわかりやすいような表現にする
アピールする際には、専門用語や大学や仲間内でしか通じない言葉を使わず、わかりやすく平易な言葉で誰にでもアピール内容の凄さが伝わるような表現に言い換えましょう。
そうすることで、面接官の頭の中にスルスルとあなたのアピール内容の凄さが伝わるはずです。


3.最後に

自己PRは就職面接の序盤で最初に面接官の心をつかむための、最も重要な局面です。
ここでぐっと面接官の興味をこちらに持ってくることができるかどうかで、面接の成否が決まると言っても言い過ぎではありません。
ここで面接官の心をつかむことができれば、しめたものです。
面接官の心を最初に開いて関心があなたに向けば、その後の面接はあなたのペースになるからです。
自己PRは企業ごとにもっとも的確な内容を選び、事前に原稿を用意し話す練習までしておきましょう。
必ず事前にしっかりと内容を練り、練習を重ねることが重要です。