1.日立製作所の主な事業内容は?

日立製作所は、電気機器メーカーとして高い知名度を誇っています。


洗濯機や冷蔵庫といった白物家電の製造実績が豊富です。環境性能の高さを売りにした製品も多く、節約・省エネ意識の高まりによる恩恵も受けられます。


かつては事業の多角化を積極的に推進してきましたが、リーマン・ショック時に大きな赤字を出したこともあって、近年は不採算事業からの撤退を進めてきました。収益性の高い事業に経営資源を集中することによって、黒字を定着させることができています。


一般消費者にとって身近な事業内容として白物家電事業を挙げました。


より大規模な製品としては、鉄道車両運行システム、エレベーターなどがあります。


鉄道インフラについては海外輸出に積極的で、グローバル展開を加速させている日立製作所の方針から将来性に期待できます。


エレベーター事業については日本や中国で高いシェアを獲得していることに加えて新規参入が少ないこともあり、今後も日立製作所の主要事業の1つとして生き残っていくと考えられます。


鉄道やエレベーターなどの社会インフラ事業は、新興諸国の経済発展が進むにつれて需要が増大すると考えられます。正確な技術が求められるだけに新興企業が手掛けるよりも、実績のある日立製作所が手掛けることを求める国・地域も少なくないでしょう。



2.競合と比較したの強み

 日立製作所は大手メーカーとして高いシェアを誇る事業も少なくありません。しかし、日本のパナソニックや東芝、シャープなどはもちろん、安価な人件費を活用しやすい中国や台湾などの海外勢との競争に打ち勝っていかなければ将来はありません。そこで、日立製作所が競合と比較してどのような点に強みを持っているのかを見ていきましょう。


 まず、家電部門では環境性能の高さを売りにすることができます。地球温暖化が進んでいることから、世界的には省エネを推進する流れが続いています。アメリカのトランプ大統領がパリ協定から離脱するなど逆風もありますが、中長期的には環境性能の高い製品が指向されることとなるでしょう。


 省エネ意識の高まりは一般家庭だけでなく、企業においてより強まる可能性があります。コスト削減につながるほか、環境に配慮した企業活動をしていることをアピールし、投資家や消費者などからの評価を高めることができるからです。


環境性能の高い製品を多数製造している日立製作所は、環境意識の高まりで売上を伸ばせるチャンスがあるほか、自社も環境に優しい企業活動をしていることで評価を高めやすくなります。


 また、先述の通り日立製作所は事業の選択と集中を進めてきました。そのため、不採算事業が少なくなっており、利益率の高い事業に経営資源を集中させやすくなっています


価格攻勢を仕掛ける海外勢に対して、高品質の製品を提供することで打ち勝つためには、研究・開発に力を入れる必要があります。不採算事業の縮小・撤退が進んでいる日立製作所では、重要事業への積極的な投資を進めやすいと考えられます。


 海外勢に対抗する際には、日立製作所を支える社会インフラ事業において日本企業をリードする役割を担えるチャンスもあります。


社会インフラ事業において、日立製作所は日本企業トップクラスの売上高を誇っているからです。


海外勢に対抗する際に日本メーカーが企業連合を組む際に主導的な立場をとることができれば、自社の方針に合わせた海外展開を進めやすくなります。


 さらに、日立製作所と言えば系列企業の多さで知られています。系列企業が多いことは財務管理などのコストがかさむなどのデメリットがあります。


しかし、細かな事業ごとに系列会社を設立しておけば、事業ごとの利益が明確になりやすいです。実際、日立製作所は不採算事業からの撤退を進めたことで利益を出しやすい筋肉質になったことからも、系列企業を多く持つことのメリットが発揮されたと言えます。


 今後は電気自動車や自動運転車の開発が進むほか、IoT時代が到来することで日立製作所が取り組む事業においても大きな環境の変化が訪れる可能性が高いです。時代の流れに迅速に対応し、利益を上げ続けるためには、時として同業他社と提携したり、M&Aを実施したりする必要も出てくるでしょう。


系列企業が多ければそれぞれが意思決定を行って有力な中小企業の技術などを取り込みやすくなる点にも期待できます。


 さらに、現在はやや遅れを取っているものの、国内での安定した事業基盤を支えとして着実に海外展開を進めている点も強みとなってくるでしょう。


売上高に占める海外比率は競合他社と比べると見劣りします。


しかし、海外で手掛けているビジネスでは新興国でのエレベーター事業など、高いシェアを確保している事業が見られます。


海外比率を高めることばかりを意識して採算を悪化させるのではなく、得意分野を活かしながら着実にシェアを拡大することができれば、日立製作所の経営はより安定することとなるでしょう。



3.どのような学生を求めているのか

将来性に期待できる大企業である日立製作所には、入社を希望する就活生が毎年押し寄せてきます。


そのため、日立製作所への就職を検討しているのであれば、まずは日立がどのような学生を求めているのかを知っておく必要があります。


日立製作所では職種別の採用が実施されています。そのため、特定の職種に対して強い関心と適性を持った学生が望まれていると考えられます。大学で専門分野を極めた学生など、専門性の高さを売りにすることができれば日立製作所への就職チャンスが広がるのではないでしょうか。


ただし、専門性を持つだけでは不十分です。事業の多角化を推進してきた時代とは異なり、現在では日立製作所は事業の選択と集中を進めてきた結果、黒字経営が定着している状態です。


そのため、自分の専門分野だけでなく、他の分野についても理解を進めるなど柔軟な思考ができる人材がより望ましいです。高い専門性を柔軟な思考と結びつけることができれば、時代の変化に合わせて事業を転換する際にも使いやすい人材と言えます。


また、近年日立製作所がグローバル展開を加速させていることを考えると、グローバルに活躍できる学生のニーズが高いと想定されます。


英語が堪能であることが望ましいほか、海外の人材とも積極的にコミュニケーションを取れる性質が求められるでしょう。


留学経験などを通じて外国人と関わった機会が豊富であれば、就職面接などの際にアピールできるポイントとなるでしょう。


さらに、社会インフラの整備などが事業に含まれることから、日立製作所に入社したいのであれば社会に貢献する意欲を持っていることが大切と言えます。


もちろん、どの企業に就職するにせよ社会に貢献したいとの意欲は必要です。しかし、製品・サービスを提供することで個々人の満足度を高めるというよりは、社会全体に恩恵を与えるという性格が強い事業が少なくありません。


したがって、顧客11人を意識するだけでなく、社会への貢献意欲も強いと考えられる学生が好まれる可能性があります。



4.まとめ

日立製作所は大手メーカーとして国内外で高い知名度を誇っています。

製造業の中では年収水準も高めであり、就職先としての人気は高いです。

日立製作所への就職を検討しているのであれば、主な事業や将来性はもちろん、競合他社と比べた際の強みもしっかり把握しておきましょう。

また、日立製作所が求めると考えられるグローバルで献身的な人材であることを就職活動でしっかりアピールすれば、日立製作所への就職が実現する可能性が高まるのではないでしょうか。