近年、大学を卒業するまでにインターンシップを経験する学生は、学生全体の8割以上に増加しました。就活前に、“事前準備”としてインターンに参加するのは当たり前といっても過言ではないでしょう。


その中でも、単なる就業体験と差別化を図った「長期インターン」を採用している企業も多くなってきました。長期インターン生の採用により、若い力を取り入れて事業を伸ばす企業が増え、さらに本採用につなげる事例も多くなっています。


今回お話を伺ったのは、株式会社キネカ代表取締役兼CEOの籔本崇さん、そしてインターン生の青田彩季さん、梅本奏子さんの3名です。同社のインターンは「1年以上」が採用条件であり、長期インターンを通じて「価値ある若者」へ育成させています。


「毎年若い人材が入り、勢いのある組織にしたい」と語ってくれた籔本社長に、安定してインターンを採用するコツと、入社後の教育方針について伺いました。


会社の成長には「若い力」が必要不可欠。バイアウトの経験から学んだ、若さにレバレッジをかける経営スタイル


ーーはじめに、簡単な自己紹介をお願いします。


薮本崇(以下、薮本)
:株式会社キネカ代表の籔本と申します。簡単に経歴をお話しすると、学生時代に2度起業し、その後はIT系のベンチャー企業で1年間勤務しました。卒業後、23歳で「街コン」ビジネスを起こし、全国展開をさせたところでミクシィグループへと売却しています。


これらの経験を経て、事業を立ち上げる楽しさと、若いうちに成功体験を積むことの重要性に気づいたんです。当時の原体験があり、30歳で「昔の自分のように、意欲ある若者を育てていきたい」と感じ、株式会社キネカを創業しています。


ーーそれが学生のインターンを採用しようと思った理由につながるんですね。


薮本 :そうですね。そもそも私は、「若ければ若い方が優秀だ」という思想を持っています。というのも、若い人は柔軟な発想力や、吸収力、そしてコミットメント力があるからです。社会に出ている期間が長い大人には、経験はありますが、逆に経験があるために、変化することに臆病になってしまうんです。会社を育てていくには、若い力が必要だと信じています。


ーー長期インターンの採用に、InfrAを選んでいただいた理由をお伺いできますか?


薮本 :トレイム代表の高橋くんと関係値があったんです。私と彼が出会ったのは、彼がまだ資金調達をしている頃でした。その日から1年ほど経ったときに、トレイムのサービスがすごく成長していて。彼の持つビジョンも、日に日にスケールが大きくなっていました。彼の成長に感銘を受けたこと、そしてキネカでもインターンの募集を始めようとしていたので、 InfrA を導入しました。

キネカのインターンは「経験」を見ない。学生の興味を引き出す求人の作り方



ーーInfrAを導入していただき、インターン生の採用には成功していますか?


籔本:優秀な学生を採用でき、非常に助かっています。あと、InfrAは対応が早いのも魅力的です。採用確度の高さに関しては、学生インターンの2人の方が詳しいんじゃないかな。


(左から)インターン生の青田彩季さん、梅本奏子さん 


青田彩季(以下、青田):インターンの青田です。私はメディア事業責任者として人事も担当しております。


梅本奏子(以下、梅本):同じくインターンの梅本です。私はメディア事業でライティングを担当しています。


ーーよろしくお願いいたします。現在は青田様が求人を書かれているのですか?


青田:はい。InfrAは掲載から3日以内に応募が集まることが多いです。弊社はライター職が非常に人気なので、特に多く応募が集まります。



ーー求人を掲載する際に工夫している点はありますか?


青田 :募集を見てくれている学生にとって、分かりやすく興味を持ってくれるような内容にしています。特にこだわっているのが「必須条件」の項目です。「楽しいことが好き」、「恋愛メディアに興味がある」というような、面白いものを選ぶようにしています。そうすると、学生も気軽に応募できるようになるんです。



株式会社キネカのInfrA採用ページ抜粋



学生の成長曲線は、「教育」ではなく「採用」で決まる




ーー応募する際のハードルも下がるように工夫されているんですね。学生の姿勢など、採用時にチェックしている点はありますか?


青田 :弊社の場合は、1年以上働ける人…つまり大学3年生以下の方が条件です。ですが、多くのポイントは面接にお越しいただいてから判断していますね。


ーー採用時にチェックするポイントはありますか?


青田 :社内で「求める学生像」を共通認識するようにしています。「今まで人生の中で頑張ったことがある人」が、求める学生像です。人生の中で、何か1つでも頑張った経験があれば、この先も頑張れるはず。とにかく頑張ったことがあって、自信を持っている人、そして意欲的な人を求めています。


ーーなるほど。籔本様にも、学生に対して求めている姿勢をお伺いできますか?


薮本 :私は、自分の成長しか考えていない人を採らないようにしています。己の力を伸ばしたいという意識を高く持つことは大切。しかし、自分の成長のことしか考えてない人は、実は全然成長出来ないんですよ。


サッカーチームで考えても、フォワードだけが強くなっても意味がありませんよね。チームに入って、チームが勝てるように一生懸命やれば、必ず自分の成長につながります。なので、弊社のメンバーはもちろん、これから入ってきてくれる人にも、事業の成長のために頑張ってくれる姿勢であってほしいです。










ーーありがとうございます。インターン生が入社した後の教育方針についても、お話を聞かせてください。



青田 :「褒めて伸ばす」ことを心がけています。ネガティブなことは、一切口に出さない社風です。そして、学生の意見をしっかり聞くことを意識しています。


弊社では、インターン生であっても、自分の頭で考え、主体的に行動してほしいと思っています。なので、学生との面談やコミュニケーションを取る機会を意識的に増やしています。すると、率先して行動できるようになっていきます。


薮本 :経営者の立場としては、育成する前の採用に一番労力を使っています。入社後に気づくのですが、スタートアップは、教えることって実はあまりないんです。


やる環境を与え、そこで本人が力を発揮するかどうかで、本人の成長曲線が変化します。いくら教育コストをかけても、そこで本気になれる人じゃないと、教育は意味をなしません。


会社のことを、自分ごとのように考えられる人を採用し、その上で教育していくというのが私の方針です。そのため、いろいろな局面で「誰か良い人いませんか?」と自ら聞いて回っている経営者は素晴らしいと思っています。


スタートアップには「成長のサイクル」が潜んでいる。学生と企業が相互に生み出すインターンのメリット



ーー最後に、学生が長期でインターンをすることのメリットをお伺いできればと思います。まず、学生の視点で梅本様から、ご自身の経験も踏まえてお答えください。





梅本 :私は、もともとWEBのライティングや編集に興味を持っていました。でも、大学に入って何か動き出そうと思ったのですが、学生でもできそうなことで、私がやりたいことがなかなか見つかりませんでした。


というのも、アルバイトでは単なる事務が多かったり、ただ手を動かして書くだけの仕事しか見つからなかったんです。


しかし、長期インターンの存在を知って考えが変わりました。長期インターンを始めて驚いたのは、ただ書くだけではなく、より上流の企画から携わる機会があることです。お金をもらうだけじゃなく「仕事」を知ることができます。なので、学生生活で出来ることと、私がやりたいことがマッチしたことを見つけられて良かったです。


ーーそうなんですね。梅本さんはまだ大学2年生とお聞きしていますが、周りにインターンを始めている友達はいたんですか?


梅本 :いえ、そんなことはありません。インターンは、大学3年生からやり始める人が多い印象です。


ーーなるほど。たとえ存在を知っていても、周りにインターンをしている学生がいないと始めづらいと思います。「インターンをしよう」という動機はどこから生まれてくるのでしょうか。


梅本 :たしかに、同学年の友達にインターンをしている人はほぼいません。ただ私は、「インターンをやりたい」というよりは「ライターがやりたかっただけ」なので、あまり気にならなかったです。でも実際にインターンを始めてみると、ライターの経験以外にも得るものが多く、他の人より早い段階でインターンをしてよかったな、と感じています。周りがやってるから始めるのではなく、実際に自分から行動してよかったなって。


ーーありがとうございます。それでは、経営者の立場として学生がインターンをするメリットとは改めてどう考えていらっしゃいますか?


薮本 :やはり、「成功体験を早く積める」という点が一番大きいですね。私は皆にも「成功体験を積め。そして成功するには成功するしかない」といつも言っています。一度成功すると、「成功の快感」が脳に染み付きます。そうなると、成長意欲が向上し、どんどんバージョンアップしていくんです。


ーーなるほど。特にスタートアップでのインターンは成功が早く積めるんですね。


籔本 :その通りです。もう一つスタートアップの魅力を挙げると、意思決定をする機会が非常に多いということ。スタートアップはとにかく決断を迫られることが多いので、「決断経験値」が積めるんです。


さらに、自分で決断したことで成功すると、ビジネスマンとしてのスキルや、人間力も向上していきます。もちろん、大企業でも同じような環境が与えられれば変わりないと思いますが、小さい組織に行けば必然的にカオスな環境に身を置けるので、そうした機会が多いんです。


スタートアップは自分で仕事を取ってきたりしますし、手取り足取り教えてもらうこともありません。長期的に見れば、スタートアップの方が伸びると思います。


ーー自分で意思決定をして、その決断の上で成功するというサイクルが重要なんですね。ちなみに、そのサイクルを回すにはどのくらいの期間が必要でしょうか。





薮本 :最低1年ですね。私は、1年未満で学生が戦力化すると思っていません。すぐに結果の出せる即戦力人材がほしいなら、中途社員を採用した方がいい。しかし、弊社では未経験の学生を1年以上じっくり育成するんです。すると、長期的な視点で考えて、結果的に会社にとってもベストな選択になります。


毎年部下に優秀なインターン生が入社すれば、すでに組織にいる人材が「このままではいけない」と、成長意欲を刺激されます。毎年インターンを採用し、勢いのある組織にしていきたいですね。