住宅業界に就職したいと考えている方向けに、住宅業界の現状と今後の動向や仕事内容についてまとめました。




住宅業界の現状と動向


住宅業界の平成26−27年度の市場規模は10兆2,162億円でした。住宅業界はここ10年ほどの間に市場規模がどんどん大きくなっています。特に26−27年度の市場規模は一躍伸びています。その理由としては2つ挙げられます。

一つ目は「スマートハウスの需要増加」です。最近の住宅業界の特徴であるのが「スマートハウス」です。従来までの住宅の概念に「耐火・耐震住宅」「省エネ」といった付加価値がついた家のことです。それに加えて太陽光発電、蓄電池、ITを駆使した住宅の設備などがスマートハウスの代表的なシステムとなりました。

2つ目は「消費税の増税による駆け込み需要」です。平成26年4月に消費税増税を前に駆け込み需要が増加し、住宅業界が好調な回復をしてきたのです。


また、住宅業界の抱えている課題は大きく分けて4つあります。

1つ目の課題は「消費者の収入の減少」です。近年の日本は消費者の年収が下降傾向にあります。住宅を購入する人が多い世代である30−40代の年収が著しく減少しているのもかなり痛手となっています。生活費だけで精一杯という人も多いことから賃貸住宅に住む人も多いです。

2つ目の課題は「少子化と人口減少」です。少子高齢化が進む現在の日本は、人口も減少していくとされています。人と密接な関係にある住宅業界からしてみれば、少子高齢化と人口減少問題はかなり深刻であると言えます。

3つ目の課題は「スマートハウス」です。若年層の収入が減少していっているという事実があることとは相反して、高付加価値住宅「スマートハウス」の需要が高まりつつあります。上述したように、環境のことを考えて作られたエコ住宅・省エネ住宅や耐火性・耐震性の高い住宅などの需要が高まっています。また、オール電化やバリアフリー付きの2世帯住宅もだんだんと需要が高まってきています。住宅業界ではスマートハウスの分野で競争が過激化すると予想されています。

4つ目には「人材の不足」が挙げられます。この問題に関しては住宅業界だけではないのですが、年々就業者の数が減少していっているという傾向が見られます。人材が不足することで、一人当たりの仕事数が増え、大きな負荷がかかるという問題が起きてしまいます。また、作業が荒くなってしまうことで、次に教わる就労者がクオリティの高い伝達がされないという事態に陥り、企業自体のクオリティが下がってしまうということも考えられます。


「住宅業界で働く」とは

ここでは住宅業界の職種や仕事内容を紹介していきたいと思います。

住宅業界の職種には経営・企画」「人事」「総務」「経理・財務」「設計」「施工」「営業」といったものがあります。それでは順番に見ていきましょう。

「経営・企画」は企業の経営戦略や、事業計画の立案を任される責任重大な職種です。企業のハンドルを持っているといっても過言ではないくらいに重要な決断を迫られることがあります。自分の手がけたプロジェクトが成功したときはやりがいを感じることができるでしょう。

「人事」は企業の人材を管理する職種です。新卒採用者・中途採用者の管理をすることでも有名ですよね。人事はそれだけでなく配属の振り分けや人事評価も行います。自分の担当した社員が活躍しているのを見るのはやりがいを感じられる瞬間であると言えます。

「総務」は企業内の一般事務を請け負う職種です。その他にも法務や庶務といった分野も手がけます。縁の下の力持ちになりたいという方にオススメの職種と言えます。

「経理・財務」は企業のお金に関わることを担当する部署です。経費や人件費、資産などを管理します。会社の重要な資産であるお金を管理していると実感するときにやりがいを感じるでしょう。

「設計」は技術職の1つで、お客さんのニーズや住宅の傾向に合わせて住宅設計を行なっていく職種です。設計には専門の資格や知識が必要となります。自分の設計した住宅が半世紀以上形として残るということが魅力の一つと言えるでしょう。

「施工」も技術職の一つです。設計された図面をベースに現場にいって住宅の施工を行う職種です。施工の場合は建設会社や大工さんとのやりとりがあったり、現場の設備の管理をすることになります。住宅業界の職種の中でも体力を使うお仕事になります。自分が手を加えた住宅に人が住み続けるということがやりがいに変わるはずです。

「営業」は展示場での接客やイベントをおこすといったことが仕事になります。お客さんへの接客はライフプランに沿った住宅の提案、モデルルームの紹介などです。お客さんの声を一番間近で聴くことができるのが営業職の魅力と言えます。


住宅業界 売上げ企業ランキング

業界に属する企業を売上TOP10までをランキング形式にし、TOP3の企業ついて解説を入れました。

1位 ダイワハウス工業 3兆1,929億円
2位 積水ハウス工業 1兆8,588億円
3位 飯田グループHD 1兆1,360億円
4位 住友林業 1兆0,405億円
5位 旭化成 6,324億円
6位 積水化学工業 4,733億円
7位 ミサワホーム 3,993億円
8位 パナホーム 3,529億円
9位 三井ホーム 2,562億円
10位 オープンハウス 1,751億円

1位の大和ハウス工業は海外事業にも力を入れたり、他業種での事業の影響で1位にランクインしていると考えられます。また、CMでの認知度が高く、利用者を獲得できたのではないかと予想できます。

2位の積水ハウス工業に関してもCMでの認知度に加え、スマートハウスの売上が好調だったこともあり、2位という結果になりました。

3位の飯田グループHDはサッカーチームのスポンサーを流止めていたということや、新たな事業への参入を機に業績を伸ばしてきました。


住宅業界 採用される志望動機のポイントとは



住宅業界において、採用される志望動機のポイントがあります。ここではその中で3つを紹介していきます。

1つ目は「なぜ住宅業界が良いのか」です。魅力的な志望動機の基礎となります。住宅業界を志望した理由を伝えるために、「その業界の特徴」を混ぜながら伝えていくといいでしょう。

2つ目は「なぜ貴社なのか」です。住宅業界には数えきれないほどの住宅メーカーがあります。その中から貴社を選んだ理由を述べます。これも同じように、貴社特有の特徴を混ぜながら伝えるといいです。企業ごとの特色は全く異なっています。ですからその特色の違いを理解しておくことが採用されやすい志望動機が書けるポイントであると言えます。

3つ目は「自分が貢献できることは何か?」です。企業はあなたらしさを見たいと感じています。あなただから採用をするというようになった方がいいのです。ですから、企業に就職をしたら貢献できることは何かを明記しましょう。このトピックはいわば「自分の能力のアピール場」と考えるといいです。自分の長所の中で企業とマッチしていると思うところを志望動機にすることをオススメします。

まとめ

今回は、住宅業界に就職したいと考えている方向けに、住宅業界の現状と今後の動向や仕事内容についてまとめました。参考になりましたでしょうか。住宅業界は海外事業の発展が著しく、そのノウハウが日本でも使用され、再び活気が戻りつつあります。住宅業界に就職を希望されている方は広い視野を持って企業研究を行なってみてください。