「周りの友達はインターンを始めているのに、自分だけが何も行動を起こせていない」——特に、大学2年生、3年生になるとそうした不安を持つ学生が多いようです。とはいえ、インターンを始めるきっかけも、いったいどこの企業でインターンをすればいいのかも分からない。そんな不安を解消すべく、インターンを経て充実した学生生活を過ごしている先輩方へインタビューを行いました。今回お話を伺ったのは、今年の春からリクルートキャリアに就職する立教大学卒の、奥岡権人さんです。

挫折と悔しさの先に見つけた、「人は変われる」という事実。本質に気づいた17歳


——まずは、奥岡さんの自己紹介をお願いします。

奥岡権人(以下、奥岡):春からリクルートキャリアに就職する奥岡権人です。現在は、フリーランスの編集者・ライターとして活動しています。学生時代にインターンをし、そのなかでもっとも興味が持てた仕事が編集、そして執筆業でした。以来、この仕事を続けています。

——ということは、インターンをするまでは未経験だった仕事で生計を立てられているんですね。もともと、努力家タイプだったんですか?

奥岡:いえ、高校時代は努力することをせず、だらだらと毎日を過ごしていたこともあります。きっかけがあり、インターンを始め、変われたんだと思います。

——そうなんですね。高校時代のお話もお伺いさせてください。

奥岡:少し話は遡りますが、中学校からテニスを始めました。自分は下から数えたほうが早いくらい下手で、とにかく悔しい思いをしたんです。ただそこから努力を重ねたら、最終的に部内でもトップクラスの実力を手に入れました。中学校1年生のときに歯が立たなかった相手も、3年生になった頃には勝てるようになっていたんです。
そうしてテニスに熱中していたんですが、その熱が高校に入って覚めてしまったんです。僕は母子家庭で育ったのですが、母親が失業してしまったことがありました。テニスはお金がかかるスポーツなので、続けることが困難になってしまったのです。

——そこでテニスを辞めることに…?

奥岡:そうならないよう、自分でアルバイトをしてお金を稼ぐことにしたんです。部活が終わったらアルバイトに直行、土日も休みなく働く…といったように休みなく働きました。すると体力的にガタがきてしまって。親が失業しているというプレッシャーもあり、精神的にも疲れ切ってしまいました。入院することになってしまい、そこで「頑張ろう」という気持ちがプツリと切れてしまったんです。

——挫折経験があったんですね

奥岡:そうですね。テニスのために頑張っていたアルバイトが、私利私欲を満たすために目的がすり替わってしまっていました。テニスがやりたかったのに、本当の目的を見失っていたなと。17歳にして、一瞬の快楽に目を埋めることの浅はかさに気づきました。

——高校時代の挫折経験が、現在につながるターニングポイントになっていると。

奥岡:自分が本当にやるべきことに没頭することの大切さを知り、そしてそのための誘惑やノイズを排除することを意識するようになりました。また同じ時期に母親も復職し、新しい会社で成績を残すようになっていたんです。「やるべきことに粛々と取り組めば、人は変われる」と感じましたね。


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——大学に入ってからは、その経験を生かしてインターンをされたのでしょうか?

奥岡:初めてインターンをしたのは大学3年生のときです。それまでは、金融を学ぶゼミに入ったり、留学をしたり、多様な経験をしようと動き回っていたと思います。インターンはスタートアップと同様の環境で働いていたんですが、ある日「時給で働くこと」や「裁量が決まっている」ことに面白さを感じられなくなってしまったんです。

——あまり充実していなかっと?

奥岡:そうですね。なかなか成長を感じられなくて。一方で、周りを見渡せば優秀な友達がたくさんいます。クラウドファンディングで集めた資金を原資に世界一周を達成したり、在学中に会社を立ち上げたり、僕とは視座の高さがまるで違うんです。僕と彼らの違いは、優れたメンターを持っているかどうかでした。お金どうこうではなく、進むべき道を示してくれる存在がいて、そこで経験を積むことが成長には不可欠なんです。

——そこで、どのように方向転換されたのでしょうか?

奥岡:リクルートキャリアでインターンをはじめ、現在株式会社HARES代表の西村創一朗さんにメンターになっていただきました。

——どのようなことを学ばれたんですか?

奥岡:経験を通して学んだのは、「何か特別なことをしなければいけないわけではない」ということです。たとえば、礼儀礼節。時間を守ることやバックレないこと、あとは連絡をこまめに取ったり。こうした当たり前のことをしっかりできるだけで、信頼を築くことができるんです。学生が発揮できるバリューは限られています。安価で雇える、時間に余裕がある、そして可愛げがあるくらいです。ただ、この3つを押さえると、相手がぐっと近づいてくれる瞬間が訪れます。そこで得た機会に全力で打ち返せばいいんです。これまでとは違い、今は学歴や経歴だけがその人の将来を決める要素ではありません。しなやかに、機会に対応していることが肝要。自分の能力をいかに伸ばしていけるかを考えることが重要なんです。

——当たり前すぎて見落としがちなことを再認識できたんですね。

奥岡:おっしゃる通りです。その上で、西村さんからは「概念をディスラプトしろ」とも教わりました。たしかに言われたことをやり続けることや、求められる以上の成果で返すことは重要です。ただ、それではその繰り返しで終わってしまいます。想像しうることのベストを尽くすことはもちろん、誰も想像できない視点を持つことで自分を差別化できるんです。

——これからインターンをする学生に向けて、何かメッセージをいただけますか?

奥岡:「インターン」という肩書きで満足するのではなく、より上流の仕事に触れることが大切です。裁量権をもたせてもらい、自分の頭で考える機会を得られる環境を求めてください。たとえ無給の仕事でも、先々を見据えれば、お金じゃ換算できない価値を得られると思います。