「憧れのマイホームを建てたい」と誰もが夢を抱いた時代もありましたね。
恐らく人生で一番大きな買い物になるであろう、マイホーム。そのような場面に立ち会えて、お客様の喜ぶ顔を見られる職業ですから、住宅メーカー志望者も以前はとても多いものでした。
しかしながら、最近は住宅メーカー業界の将来性を心配する声も、ちらほらと聞こえてくるのも事実です。
近年の人口減少、災害などによる被害の懸念などさまざまな要因が影響して、あえて賃貸物件を希望する人が増えてきたからです。
そこで今回は「住宅メーカーの業界研究」と題して、仕事内容や業界シェア、今後の課題まで幅広くお伝えします。

1. 住宅メーカーとは

住宅メーカーは、戸建て住宅の設計~施工に携わる企業のことです。
業界全体の特徴としては、中小企業の割合がとても多いこと、そして売り上げも上昇傾向であると言えるでしょう。住居というものは生活の基盤であり、それを作り上げるわけですから、責任も大きく時間もかかります。
「この会社に建ててもらって、良かったわ」と言ってもらえることが、住宅メーカー社員の醍醐味ですよね。やりがいを感じる仕事であることは、間違いありません。
その上、平均年収に関してもやや高めになっています。ただし、住居は大きな商品です。商品の売れ行きによって、営業マンの成績が左右されるのはごく当たり前のこと。
住宅メーカーの営業職に就いた場合、インセンティブをもらえるかどうかは、個人の頑張り次第というところがほとんどです。
つまり、住宅メーカー業界の市場規模や売り上げの伸び率が、そのまま社員1人1人のお給料に反映されるわけではないということを理解しておきましょう。

2. 住宅メーカー業界の動向。将来性はある?

「消費税が上がる前に、マイホームを建てておこう」という人は多いです。
ちなみに、2013年は消費税引き上げの前ということで、住宅メーカーの業界の売り上げも上昇しました。
世の中の流れなので仕方ありませんが、2014年は着工数が大きく低迷したようですが、2015年には持ち直している状況です。
マイホームを建てたいという人が激減するということは、今のところ考えられないので、比較的安定した業界であり将来性も見込める業界となっています。今後、景気が回復してくれば、住宅メーカー業界も更なる飛躍が期待できるというわけです。

3. 住宅メーカーのシェアについて

テレビを見ていても、住宅メーカーのCMはとても多いので、馴染み深い社名もいくつかあるでしょう。住宅メーカー業界を目指すからには、シェアについての知識も確認しておくべきです。

以下に、まとめてみました。

テレビCMでおなじみ。大和ハウス工業
有名俳優を起用して、ばんばんテレビCMを放送している大和ハウス工業。
シェアトップクラスの住宅総合メーカーは、プレハブ住宅を日本ではじめて作り上げた会社でもあります。
技術面でも非常に定評があり、外張り断熱通期外壁や耐震に関する技術は秀でています。
また大和ハウス工業は大手とあって、実にさまざまな事業も手掛けているという特徴があります。
リフォーム・賃貸物件・マンションなど幅広く展開していることは、間違いありません。

トップクラスの企業。ミサワホーム
ミサワホームも忘れてはならない、日本の住宅メーカーの1つです。
近年自社ブランドによるマンション分譲に、再度乗り出すことにしたとのことで、戸建て住宅のみに縛られない柔軟な事業展開が期待できます。

その他にも、積水ハウス・パナホーム・セキスイハイム(積水化学工業)三井ホーム・ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)・住友林業などのメーカーがシェアのトップに位置しています。
住宅メーカー業界への就職をお考えであれば、まずは上記のメーカーを視野に入れて進めていくことをおすすめします。


4. 住宅メーカー業界のこれから

さて、住宅メーカー業界のこれからはどうなっていくのでしょうか?
最近増えているのは、それぞれの家族形態・目的・重視する項目に沿った、オーダーメイド住宅です。
一般的な住宅に付加価値を付けて、より住まいの快適性を重視したものが人気となっています。
例えば高齢者が過ごしやすいように、自宅内の段差をなくしたバリアフリー住宅や、震災の被害のトラウマから「耐震性を一番に重視した住宅にして欲しい」との希望を叶えた住宅も多いようです。
他の住宅メーカーに差をつけるために、各メーカーは競って高気密・高断熱・オール電化・バリアフリー・床暖房・デザイナーズなど付加価値を付けたこだわり住宅の提案に力を入れています。
また近頃は、住宅メーカーが戸建住宅だけではなく、リフォームにも本格的に力を入れるところが増えてきました。
こだわりのマイホームだからこそ、内装や設備にとことんこだわりたいという声も多く、今後はリフォーム分野に進出していく住宅メーカーも多いでしょう。
住宅メーカー業界は、決して暗くはありません。むしろ、今後戸建て住宅に依存せずにさまざまな事業を展開していくことで、明るい兆しが見える業界だといえます。

5. どんな仕事があるの?

住宅メーカーの社員を一言でいうと、お客様とお家づくりのプロフェッショナル達をつなげる「橋渡し的な存在」です。お家を立てることは、人生の大勝負と言っても過言ではありません。
それだけ、お金も時間も費やさなければいけないからです。ですから、建て主からは「こんなことをしたいんだけど・・・」「こんな時、どうすればいいのかな?」と疑問や相談がたくさん寄せられます。
さて、どのような仕事があるのでしょうか?
住宅メーカー業界では、いくつかの業種に分かれており、それによって大きく役割が異なります。
大きく分けて、営業職・設計の技術職・施工の技術職があります。

実力が試される。営業職
住宅メーカーの営業職は、住宅展示場での新規顧客の獲得、相談、企画、提案などをメインに行います。ファミリー向けのイベントが多いので、どうしても土日の出勤が多くなり、お休みは平日になる場合がほとんどです。また、住宅メーカーの営業職は、徹底的な実力評価となっています。
売上によってお給料に顕著に現れるので、営業職の人は努力あるのみです。

会社を総合的にサポートする部署もある
経理や総務、人事など一般企業にある部署と同様に、住宅メーカーにも会社を総合的にサポートする職種があります。

専門的な知識が必要。設計の技術者
住居の設計には、専門的な知識が必要不可欠です。お客様の「こうしたい」「こんな家にしたい」という希望に寄り添いながら、快適に過ごせるための設計をおこないます。
建築学科や電気系統の学部を卒業している人が、比較的こちらの職を目指すケースが多いです。

実際に作り上げる。施工の技術者
設計をもとにして、実際に住宅を作り上げていくことが主な業務となる、技術系の職種になります。
職人気質の強い大工さんや建設会社の人とコミュニケーションを図りながら、施工の計画を立てたり、的確な指示を出して進めていきます。

以上、住宅メーカーの仕事内容についてご紹介しました。技術職を目指す人は、大学で専門的な勉強をしてきた人がほとんどです。一方で営業職の場合は、資格が無くても挑戦できる職種なので、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。

6. まとめ

いかがでしたか?今回は「住宅メーカー」について詳しくお話しました。誰かの一生の宝物を作り上げることに対する責任感、お客様とのコミュニケーション能力、さまざまな分野の人達と円滑に仕事を進めるための協調性など、住宅メーカーで働く際には必要な能力をしっかり確認しておきましょう。
人と接することが好きな人、営業マンとしての実力を養いたい人は、住宅メーカーへの就職をオススメします。実力が試させる業界だからこそ、新卒者の人はアグレッシブに取り組んでいきましょう。