一昔前はエントリーシートといえば、紙で提出するのが一般的でした。しかし、インターネットが普及した現代においては、web上でエントリーシートを作成し、そのまま提出させる方法をとる企業が増えてきています。

どちらもエントリーシートであることに違いはなく、提出媒体が異なるだけと思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。エントリーシートをwebで提出するか紙で提出エントリーするかにより、気をつけるべきポイントは異なります。今回はwebエントリーシートを作成し、提出する際に知っておくべきポイントについて紹介します。

WEBエントリーシートの特徴

はじめにwebエントリーシートの特徴には以下のものがあります。

・作成が短時間で済む
・コピー&ペーストができる
・提出後、企業に到着するまでの時間を考慮しなくてよい
・送料がかからない
・フォーマットの自由度が低い
・記入する時間に制限がある場合が多い
・インターネット環境がないと、提出できない

以下では、それぞれの特徴について解説します。

・作成が短時間で済む
webエントリーシートはキーボードを使って作成することができるため、手書きと比較して作成が短時間で済みます。文章を間違えた場合でも、はじめから書き直す必要がありません。

・コピー&ペーストができる
昨今の就職活動においては、一人の求職者が複数の企業に応募することが当たり前です。その際、webエントリーシートであれば内容をコピー&ペーストすることができ、1つのエントリーシートを複数の企業に利用することができます。

・提出後、企業に到着するまでの時間を考慮しなくてよい
webエントリーシートはインターネットを介して企業に提出するので、提出と到着の間にタイムラグがありません。

・送料がかからない
webエントリーシートはインターネットを介して提出するため、送料がかかりません。また郵便局に持ち込む手間やポストに投函する手間もかかりません。

・フォーマットの自由度が低い
webエントリーシートは改行ができない場合や文字数に制限がある場合があります。また文字を記入するスペースも決められているため、フォーマットの自由度が低くなります。

・記入する時間に制限がある場合が多い
webエントリーシートは記入から提出までに1時間ないし数時間の時間制限が設けられている場合があります。制限時間を超過した場合、記入した内容が消失します。

・インターネット環境に依存している
webエントリーシートはインターネット環境に強く依存しています。インターネットがなければ記入も提出もできず、記入中にインターネット回線が切れた場合は、内容が消失するリスクがあります。

WEBエントリーシートと紙との共通点と違い

ここからはwebエントリーシートと紙媒体のエントリーシートを比較し、共通点と違いをみていきましょう。

■共通点

webエントリーシートと紙媒体のエントリーシートには以下のような共通点があります。

・書く内容は同じ
提出媒体がwebであろうと紙であろうとエントリーシートの役割は同じです。それは応募企業に対し、求職者が自身の履歴、資格、志望動機、自己PRを伝えるというものです。後述するとおり、webでエントリーシートを提出する際には書き方のポイントがありますが、それは形式的な注意点に過ぎません。企業に対して自分自身を正確に魅力的にアピールすることが重要なのは、webでも紙でも同じです。

・敬語表現も同じ
後述するとおりエントリーシートをwebで提出する場合、フォーマットに制限がある中で見やすく書き上げるためのポイントが存在します。しかし、エントリーシート上で使うべき敬語表現には違いがありません。webエントリーシートはキーボードを使用して書くことができるため素早く書き上げることができるものですが、正しい言葉遣いには注意しましょう。

■違い

以下では、webエントリーシートと紙のエントリーシートの違いを解説します。

・読みやすくするために工夫すべきポイントが違う
エントリーシートはwebで提出する場合でも、紙で提出する場合でも、読みやすいものが評価される傾向があります。それは書かれている内容が同じであっても、読みやすいものの方が選考者にとって理解しやすく、頭に残りやすいためです。紙媒体の場合フォーマットの自由度が高いため、読みやすくする工夫は簡単です。しかし、webエントリーシートは時に改行ができないこともあるため、紙のものとは違った形で読みややすさを追求する必要があります。

・コピー&ペーストができる
webエントリーシートの場合、紙と違いコピー&ペーストができるため、内容を複数の企業に使い回すことができます。また主たる構成のみコピー&ペーストして、細部は応募する会社に合わせて変えるといった作業が簡単なのもwebエントリーシートの特徴です。

・提出と到着にタイムラグがない
webエントリーシートは紙のものと違い、インターネットを通して提出します。そのため、提出と到着の間にタイムラグがありません。この点、紙のエントリーシートは発送から到着までに数日のタイムラグがあるため、発送のタイミングについて強く注意する必要があります。

・消失リスクの違い
webエントリーシートはインターネット環境に依存しているため、回線の断絶時に記入内容が消滅するリスクがあります。また誤って「戻る」ボタンを押してしまった場合も、記入内容が消滅するリスクがあります。


WEBエントリーシートを書く際のポイント

ここまで解説したようにwebエントリーシートと紙のものの間にはいくつかの違いが存在します。ここからはこれらの違いを前提として、webエントリーシートを上手く書く際のポイントを紹介します。

・改行ができない場合は、■の記号を使う
Webエントリーシートは改行ができない間合いも少なくありません。その際、すべての文章を繋げて記入すると、読みにくくなってしまいます。そこで、webエントリーシートが改行ができないものである場合は、改行部分に「■」の記号を入れて対応します。

以下が■を使わない場合と使う場合ですので、読み比べて読みやすさを確認してみてください。また(1)による順序付けや、「」による強調も利用し、改行ができない中でいかに読みやすくできるかを追求しましょう。

■を使わない場合
ボランティア活動について。努力したこと:ボランティアをする私、施設の子供、施設の経営者の三者の立場から何が求められているかを常に考慮。施設の子供それぞれの個性に沿った接し方を模索。この経験から学んだこと:人は立場により求めるものが違うこと。同じ立場であっても人の個性により求める者が違うこと。貴社でやりたいこと:会社の利益と顧客のニーズの走法を満たすことのできる接客および企画を常に考え続ける。顧客の個性の違いを理解し、それぞれに合った対応をすることで会社の売上を伸ばす。

■を使う場合
■■ボランティア滑動について■【努力したこと】(1)ボランティアをする私、施設の子供、施設の経営者の三者の立場から何が求められているかを常に考慮。(2)施設の子供それぞれの個性に沿った接し方を模索。■【この経験から学んだこと】(1)人は立場により求めるものが違うこと。(2)同じ立場であっても人の個性により求める者が違うこと。■【貴社でやりたいこと】(1)会社の利益と顧客のニーズの走法を満たすことのできる接客および企画を常に考え続ける。(2)顧客の個性の違いを理解し、それぞれに合った対応をすることで会社の売上を伸ばす。

・wordやテキストソフトで下書きをする
上述のとおりwebエントリーシートはインターネット環境に依存しているため、記入中に回線が切断された場合、誤って「戻る」ボタンを押してしまった場合は記入した内容が消失するリスクがあります。そのため、オンライン上の画面に記入する前に必ずオフラインでwordやテキストソフトを使って下書きを行いましょう。そうすることで、焼失リスクを回避することができます。

・誤字脱字チェックを徹底する
キーボードを利用した記入は素早い反面、変換ミスなどの誤字脱字が頻発します。そのため、webエントリーシートを作成する際は、紙に自らの手で記入する場合よりも誤字脱字のチェックを徹底する必要があります。漢字の変換ミスも細かく確認し、完璧なエントリーシートを仕上げましょう。

・サーバーダウン、インターネット回線切断に注意する
Webエントリーシートはインターネットを介して提出することができますが、それは裏を返すとインターネットに繋がっていないと提出ができないことを示します。そのため、提出期限ぎりぎりになってインターネット回線が切断され、提出が間に合わないといった事態が起こらないように余裕を持った作成と提出を心がけましょう。

・写真のアップロードの方法を前もって調べておく
Webエントリーシートでは、証明写真もインターネット上でアップロードすることになります。そのため、事前に写真を用意し、提出の前に一度はアップロード方法について確認しておきましょう。

まとめ

以上のように、webエントリーシートを作成する際は、紙でエントリーシートを作成する場合とは違った点に注意する必要があります。特に改行ができない場合の記号を使った読みやすさの追求は、意識して行ってみてください。しかし、エントリーシートに記載する内容自体はwebであろうが紙であろうが変わりません。
エントリーシートはあなたの第一印象を作る大切な書類です。入社を希望する企業に対して有望な人材であること、魅力的な人物であることを的確に伝えることのできるエントリーシートの作成を目指してみてください。