就活生に大人気な業界の一つ、総合商社。「グローバルに働ける」「年収が高い!」と憧れている学生も多いのではないでしょうか。そんな総合商社の中で大手といえば、5大商社。
今回は五大商社のうちの一つ、丸紅にフォーカスしてまとめてみました。

丸紅の主な事業内容は?

企業イメージに照らした動画が一躍注目の的となっていた丸紅ですが、全世界で67カ国、132に渡る拠点を有しているほどの相当大規模な世界的な総合商社です。丸紅の事業を大別すると、穀物から不動産に至るまで幅広い領域を取り扱っている生活産業グループ、農業化学品や紙パルプなどを取り扱う素材グループ、エネルギー・金属グループや電力プラントグループ、輸送機グループなど、メインとなるものは5つ存在しています。

そして、業種ごとに分類するのみならず、別の角度からセールスやマーケティング、ファイナンス、安定収益型事業、資源投資などといったようにモデル区分においても明確な差異を打ち出しています。世界進出における手法として、各国での有能な人材をそれぞれで育成する旨の戦略をとっていることも特徴的ですね。

最も収益があるとされている生活産業グループは、丸紅の全事業収益のうち26%相当を占めているのですが、このうち、穀物事業が最も大きな領域に相当しています。ありとあらゆる総合商社のなかでも最大クラスである6700万トン相当もの取扱いがあるほどです。

その次に収益のあるものが農業資材を担っているヘレナ事業と呼ばれるものや、自動車のほか陸海空いずれの領域をも満たす輸送機グループや発電事業、それに加えて資源投資などにおいて利益の大部分を占めています。そして、日本で消費されているコーヒーの3割相当、海外を含めれば、エチレントレードシェアにおいても3割相当であることも顕著です。

2015年度末の決算では、資源が安価になったことの煽りを受けて業態が思わしくなく、各関連会社全て総合しても連結財務諸表上は前年度に比して430億円以上(パーセンテージにして41%減少)の損失を被っています。そもそもこれはチリにおける銅、オーストラリアでの鉄鉱石、それぞれでの処理に費やしたことによる埋め合わせに起因しています。

生活産業グループにおける事業では、穀物や不動産関連以外にもタイヤの小売や携帯電話販売代理店などといったように実に広範な領域に渡っています。素材グループでは先述したもののほかは紙パルプ事業をも取り扱っています。

生活産業グループは、さらに穀物本部、食品本部、ライフスタイル本部、情報・物流・ヘルスケア本部、保険・金融・不動産本部に分けることができます。海外展開している丸紅のなかでもとりわけその比重の大きいものが穀物本部ですが、これは総合商社のなかでも首位を獲得しており、北米や南米をメインとして各国に対して穀物を供給しています。アメリカにおいては、多数のグループ企業を保有しており、これにより穀物の集荷ないし輸出を担っているのです。アメリカ以外では、ブラジルが規模の上で次点となっており、これも同様グループ企業によってアジア諸国に対する安定供給を主眼にしています。さらに穀物の輸出入に供するためのサイロも丸紅が保有しています。

エネルギー・金属グループは、丸紅の収益において、生活産業事業に次ぐ比重を占めており、さらにエネルギー本部、鉄鋼製品事業本部、金属資源本部に分けることが可能です。丸紅が15%相当出資している豪州ロイヒル鉄鉱山事業は、それ自体で運用を担っている鉄鉱山のなかで最も規模の大きいものとなっています。当該事業は、インフラとしての基幹ともいえ、鉱山や鉄道、港湾などに至っては丸紅の所有するところとなっています。ここで産出された鉄鉱石の大部分は、日本を代表とするアジア諸国に対して輸出されており、同諸国における鉄鋼産業に対して尽力しているわけです。

輸送機グループは、航空・船舶本部、自動車・リース事業本部、建機・産機本部の3種類に分類できます。いずれの事業においても世界各国で本領発揮しています。

素材グループは、農業化学品本部、化学品本部、紙パルプ本部とに分類できます。丸紅で顕著なヘレナケミカルは農業化学品本部に相当しているのです。さらには川上から川下に至るまでという丸紅の常套句は化学品本部の強みとして確固たるものとなっています。また、紙パルプ事業においても多種多様な展開を果たしているのです。

電力・プラントグループは、電力本部、プラント本部とに分類されます。電力本部における発電については、業界において首位に位置づけられるほどの規模を有しているのです。他方、プラント本部も競合商社のなかで首位に位置づけられるものであり、主にインフラ部門において諸々の事業が展開されています。

競合と比較した丸紅の強み

丸紅の特筆すべき点としては、同社独自の3カ年計画において、競合他社の設定をあくまでも商社ではなく取扱い領域それぞれに存立するトッププレーヤーとしていることが挙げられます。要するに他の総合商社と競うものではなく、それぞれの個別における事業展開を主眼にしているのです。丸紅以外の商社の特徴としては、トレードから事業投資へと変遷しているものの、あくまでも丸紅は貿易の点を徹底していることが顕著です。

世界的視野での活動は丸紅として当然であるところ、これまで培ってきたアグリ関連のビジネスやインフラに係る事業、それに輸送機に係る事業についてもより強固にする旨の方策を採用しつつも、アメリカを代表とする各先進国のみならず東南アジア諸国連合をも見据えていくほか、サブサハラ地域に至っても入念な取り組みをしているようです。

世界的視野のもとで地域に接した事業展開により事業を模索しつつも、各地域に照らした上でどのような需要があるかを抑えていき、かかる追求により他の追随を許さないという強みもあるのが丸紅です。

丸紅としては不本意ながらも、競合商社として比較してみれば生活産業事業のうち、食料、とりわけ小麦に強みを有していると評価できます。他方、鉄鋼に係る事業においても、丸紅が海外事業において70%相当もの収益を得ていることからすれば、競合する総合商社や大手鉄鋼商社と比較しても、諸外国において入社早期から国際感覚を培うことも可能であるといえます。

さらに、丸紅の強みとしては、情報網が広範に及んでいることが大きいといえます。情報が重要視される傾向のある総合商社であるからこそ、丸紅の強みと評価できます。

どのような学生を求めているのか

丸紅で求められる人材を一言で表せば、将来的に丸紅を変革し得る人物、具体的にはどのようなことでも臆することなくチャレンジできる人なのかも知れませんね。就活生のなかには、商社を希望するに際して、そのブランド力に魅了されている者も少なくない傾向といえます。しかしながら、そのような洗練されたものが好ましくない就活生もいることでしょう。この場合、丸紅精神にあやかった泥臭さを求めてみるのもアリでしょうね。常に向上心や挑戦を求めていきたいのであれば、丸紅が琴線に触れるのではないでしょうか。

丸紅では、2020年に対して目標を掲げているのですが、これはつまり、同社の有する多種多様な領域における各々の事業で世界的に抜きん出ることを経て、各地域における活性化ないしグローバル化のできる企業を目標とするものです。

これを実現するためには、強固な個性を有した一人一人がまとまることが不可欠です。そして、これまでなし得た事業をさらに発展していき、今後の丸紅における枢要に至るほど事業を押し広げることによって、丸紅全体を活性化させていきます。そのような状況下で活用できる人材のためにも、丸紅ではダイバーシティを進捗させるとともに、適宜人材を採用し、または配置していくことを主眼としているのです。

これを踏まえて、丸紅が求めている人材を述べていけば、高尚な信念や好奇心を有しており、挑戦や発明を怠ることのない人物であること、自己に課せられた課題を高度な次元でこなしていく専門性を有する人物、自己で思考することを経て実践に移せる人物であることです。

他方、丸紅のマネジメントに徹するためには、丸紅の取り扱う領域のいずれにも知悉していることが求められてきます。それというのも、各事業を昇華し得ること、大局局所を問わず、今後の動静に注意を払うとともに、変遷に適宜対処し得ること、指導力の強さに基づいて組織をより強固なものへと仕立て上げられること、これらの要件を満たしていることはもちろんのこと、かつ前掲目標のもとで、丸紅全体でのかくある態様に肯定的であることも無論要求される次第です。


まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、就活生に大人気、そして就職難易度が非常に高いとされる五大商社の中でも「丸紅」グループに関してまとめてみました。是非、参考にしてみてくださいね。