せっかく苦労して考える自己PR、興味を持って読んでもらいたいですよね。少しの工夫で大きな差をつけることができます。コツは書き出しの言葉です。ここでは書き出しの重要性や言葉選びに注目します。またPR文全体の構成としてどんなものが良いかも取り上げていきます。あまりPR文に力を入れていなかった方も必見です。


なぜ書き出しが大切なのか

それは面接官のあなたに対する興味を引き出すためです。これは人との会話にしても言えることです。出だしにどんな言葉がやってくるかで引き続き注意して聞こうか、とりあえず聞こうか、というその人の関心の度合いは大きく変化します。


一例として何かのエピソードを友人に話す場合を考えましょう。服を買いに行ったら時間限定の半額セールをしていてとてもお得な買い物をしたとします。普通にこう言うこともできます。


「昨日服を買いに行ったんだけど

でも出だしが変われば話の雰囲気が変わります。


「昨日めちゃくちゃ得しちゃったよ。昨日さ

どうでしょうか?どちらの方がもっと話を聞いてみよう、という気持ちになりますか?文章の書き出しにも同じことが言えるわけです。



書き出しを書く時のコツ

書き出しを書くコツは大きく分けて4つあります。ここでも例を交えながら考えていきましょう。

1.書き出しは自分が最も伝えたいことを!

先ほどの安い服を買ったエピソードで最初に来たのは「得をした」ということでした。それが一番伝えたいことだったのです。


これをPRに置き換えていきます。ご自身の一番のウリをはじめに書きましょう。どんなことがアピールになるでしょうか。


協調性でしょうか、根気強さとか、リーダーシップでしょうか。他にも勝負強さ、積極性、責任感などもあります。アピールポイントなので、やはり前向きな考えが選ばれます。たくさんではなく一つに絞り込みましょう。


短い言葉でうまく表現できることも重要です。面接官があなたのアピールポイントをつかみ易いからです。たいてい長くなるほど意味は正確になりますが、要点がぼけてしまいインパクトもなくなっていきます。

2.個性を出す

このことには言葉選びとあなたご自身の特徴を盛り込むことが関係してくるでしょう。


端的な表現を見つけたとしても、かなり多用されている場合はインパクトに欠けます。言葉を言い換えることができるでしょうか。

同義語や類義語を調べてみることもできます。でもあまりにも凝った言葉も伝わりにくいので注意しましょう。他の人に聞いてもらってピンとくるか確かめてもよいでしょう。


あなたの特徴を盛り込むことについてはどうでしょうか。

例えばひと口に根気強いと言っても何に対してでしょうか。人にですか、それとも作業に対してですか。あなたのアピールポイントが特に発揮される分野を見極めましょう。これにより書き出しに個性が表れてくるでしょう。


それは他の応募者との違いをもたせることになります。言うまでもないことですが、事実に即していないと意味がありません。すぐに見抜かれてしまいますので絶対に避けましょう。

3.自分の強みを自信を持って伝える

言葉を工夫して、ご自分の特徴とよく合った強みを決めることができたら今度はそれを自信を持って伝えましょう。次の文章からどんな印象を受けますか?


「わたしは負けず嫌いだとよく言われます」

「わたしの強みは積極性だと思います」


どうですか?なんとなく迫ってきませんね。読み手に「この人は自分のことをあまり分かっていないのかな」と感じさせてしまいます。上のものだとちょっとネガティブな印象すら与えます。やはり言い切ってしまうことは大切です。


「わたしには負けん気の強さがあります」

「わたしの強みは状況に左右されない前向きさです」


言い切っているので、こちらのほうがあなたのイメージをはっきりさせることができます。全部の情報が入り切っているわけではないので、続く部分を読みたくなります。

4.読み手の気持ちになって練ることが大事

読み手はどんなことを知りたがっているでしょうか。


面接官はその短いPRの中から、あなたが自社のニーズとマッチするアピールポイントを持つ人かどうかを知ろうとします。


それで、応募する会社で何が求められているのかをきちんと把握しておくのは大切です。スピーディな判断が求められる会社に対してコツコツやることを強調してもアピールとしては弱くなってしまいます。


逆にその会社のニーズと、出だしに置くあなたのアピールポイントがぴったりと合えば、それは大きな効果を生むわけです。


ところで、あなたのPRを読む面接官はそれまでにいくつものPRを読んでいることでしょう。


ですからありふれた文面であったり出だしが長々しくてわかりづらい文章は不利です。たとえPRを読んでくれるとしても、あなたを他の応募者と異ならせる為にせっかくひねり出した情報が埋没してしまうからです。


ありふれた文面と書きましたが、ここに掲載されている情報も、あなただけが持っているアイデアではないことを覚えておきましょう。


」つまり基本的なハウツーを機械的に当てはめるだけでは、やはりありふれた文面になってしまう恐れがあるということです。個性を出すようにしましょう。


理想的な論理構造について

では自己PRの文章全体の構成としてどんなものが理想的か最後に考えましょう。結論>裏付け>意気込みの順です。


書き出しに一番伝えたいことを書く、ということでした。

自己PRの結論となるアピールポイントを書きます。これによって読み手はあなたがどんな人なのかをまず最初に理解し、続く情報を取り入れやすくなります。


結論ですから普通の文章で言えば最後に来るものあり、それまでの内容を含んでいるのが当然です。最初に持ってくるとつい忘れてしまいそうですが、あとの文章全体はすべて結論に繋がっているはずです。


次にアピールポイントを裏付けるエピソードや理由を書きます。例えば私は前向きだ、と書いたなら、そう言える根拠を提出するのです。


これまでの経験を書きましょう。あなたが直面した問題にどう対処したのか、何かを学び取ったのかなどご自身のキャラクターを盛り込むことも大切です。行動だけではなくその動機も書くことであなたについて読み手に知ってもらうようにしましょう。


最後は意気込みです。と言っても単に「頑張ります」では不十分です。これまでに培ってきた良い部分を、入社後のあなたがどのように役立たせられるのかできる限り具体的に書きましょう。


応募先の会社の環境についてある程度の調査が必要かも知れません。インターンとしてその業界での実務を経験できたならそのことを関連付けられるでしょう。長々と書くよりポイントを絞ることでわかり易さを心がけましょう。


まとめ

いかがでしたか。読み手を引き付ける自己PRの書き出しについて考えてきました。準備に時間的な余裕があるのであれば一般の読みものから書き出しのコツを学ぶこともできるでしょう。出来上がったら何度も読み返して考えが詰まってしまわないか確認しましょう。すんなりと入ってこない部分には何か問題があるはずです。始まりから終わりまでテーマが一貫しているなら読みやすいものです。誇張したり、嘘を書く必要はありません。気の利いた言葉とわかり易い構成で、あなたを上手に引き立ててくれるPRを目指しましょう。