出版業界のトップ圏内に入ってくる大手出版社といえば、講談社。その人気ゆえに、就職の難易度も高めのようです。ここでは講談社について理解を深めるとともに、どのような人材が求められているのかを、調べてみたいと思います。


1.講談社の主な事業内容は?

事業内容は、ズバリ出版業です。20172月は増収増益を記録し、売上高はおよそ1172億円でした。売上の内訳を見ると、多い順に雑誌・書籍・広告収入・事業収入でした。雑誌や書籍を中心とした事業を、展開していることがわかります。


ところで、私たちの身近にある講談社の出版物といえば、週刊誌です。週刊現代やフライデーは、代表的な存在といえます。また、少年マガジン・ヤングマガジン・なかよしなど、漫画やアニメの分野でも確固たる地位を築き上げ、幅広い世代に親しまれる出版物を刊行しています。ところで出版業界は、インターネットの普及や読書人口の減少、電子書籍の台頭など、さまざまな向かい風が吹く中で生き延びていかなければならない厳しい現実もあります。とはいうものの、本や雑誌で親しんできた出版社ゆえに、就活生にとって出版業界は揺るぎない人気があります。


出版社といっても株式会社ベネッセコーポレーションのように、教育系に特化した企業や、株式会社ダイヤモンド社のように、ビジネス系が強みの企業などさまざま。そこで次からは、競合他社と比較した講談社の強みについて迫ってみたいと思います。


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2.競合と比較した講談社の強み

2-1.小学館、集英社と並ぶ三大出版社のひとつ

出版業界のトップ圏に君臨する大手出版社であることは、強みのひとつといえます。三大出版社の違いは、出版されている書籍や雑誌を見るとわかります。それぞれにターゲットが確立されしています。若者に認知度の高い集英社、図鑑や絵本など子供向けの分野に強みをもつ小学館、人気作のファンからも支持のある講談社といったところです。


出版業界の現状は、電子書籍などの出版があるように、紙媒体の出版がメインだった頃よりも業界が激変していることに、各社とも変わりはありません。このような変化があっても、大手出版社であるからこそ、ノウハウや資金面が豊富で時代の流れに順応しやすいという点は強みです。講談社でも、デジタルコンテンツに力を入れるなど、従来の出版による収益だけに頼らない仕組みを作り上げています。講談社が市場のニーズに応えられる理由には、「おもしろくて、ためになる」のテーマを掲げていることも。時代にマッチしたおもしろさを、常に追求している風土があります。


2-2.歴史ある総合出版社

講談社は特定の分野に偏らず、1909年よりさまざまな分野における出版物で業界のトップを走ってきました。小説・コミック・経済・ファッション・児童書など多岐に渡る分野があります。つまり講談社で働けば、いろいろな分野を経験できるチャンスに恵まれるということがいえます。100年以上前から培ってきたノウハウを知ることができるのも、歴史ある出版社ならではの魅力です。講談社の新入社員アンケートを参照すると、希望の部署に配属されたか否かの質問に、2016年度は希望どおりと答えた人は6割超。希望ではなかったものの、満足していると思われる人も3割近くに上ります。このことから、どの部署に配属されても、興味のある仕事に携われるチャンスが多いと予想されます。


2-3.好きが仕事につながりやすい

読書好きや書くことが好きな人なら、その特技がそのまま仕事で活かせる機会が多いといえます。講談社では先ほどもお伝えしたとおり、幅広い分野の出版物があるため、趣味でも特定の分野に特化している人なら「おもしろい」と評価される可能性もあります。一般的には「オタク」とよばれる人でも、その熱意がそのまま仕事につながるということです。ちなみに先輩社員は総じて読書好きが多いようです。読書にまつわる趣味があれば、話のタネになるでしょう。


2-4.映画化・ドラマ化した作品も多め

日本だけではなく、世界でも大ヒットになった「進撃の巨人」、テレビドラマで話題になった「逃げるは恥だが役に立つ」など講談社が原作などで関わり、実写化された作品は多数あります。2017年は映画16本・ドラマ22本もありました。自分が担当した書籍などが大ヒット作になるなど、社会現象を巻き起こす原点になれるチャンスがあるのも、講談社ならではといえます。締め切りがあって大変だけど、ワクワクするといったように、仕事のやりがいを得られるステージがあります。


2-5.作家や漫画家の先生と成長できる

いろいろな書籍や漫画が刊行されているということは、作家や漫画家の先生とのやり取りも豊富です。大手出版社だけに、講談社での出版を目指す作家の先生も少なくはないと考えられます。自分が担当する先生とともに成長でき、ヒットすれば一緒に喜びあえるのは、貴重な経験になるのではないでしょうか。すでに活躍されている一流の先生をはじめ、いろいろな作家の先生と顔を合わせてビジネスができるのは、大きなメリットといえます。


3.どのような学生を求めているのか

3-1.「おもしろくて、ためになる」仕事ができる人

講談社が100年以上成長し続けてこられた背景には、社員みんなの創意工夫があったからと考えられます。出版物を作るなら、どんな内容が「おもしろくて、ためになるのか」を意識することが必要です。また得意分野は持ちつつも、いろいろな分野を幅広く知っておくことも、おもしろさを追求する上では欠かせないでしょう。出版業界を意識したら、いろいろな分野の本も手に取ってみてください。講談社では、かつての先輩たちが取り組んできたテーマを、これからも継承してくれる仲間が求められています。


3-2.妄想からもOK!きちんと考えられる人

クリエイティブさもある程度求められますので、言われた仕事をただやるような学生は向いていません。妄想から始まっても丁寧に企画していけば、世の中に受け入れられるモノとして進化することはよくあります。エントリーシートを書く際も、相手に伝わりやすい文章で書けているかを意識してください。考えることはある意味でチャレンジであり、チャレンジし続ける精神力が大切です。


3-3.時代の流れに対応できる人

インターネットが普及し、サービスが多様化している現代において、出版社のサービスもさまざま。ネット通販や電子書籍などのWEB上のサービスを展開するなど、各社がしのぎを削っています。講談社は出版業界の老舗ともいえるべき存在ですが、温故知新で日々成長しています。変化の波にワクワクしながら乗っていけるような人が、向いているといえます。


3-4.おもしろさを世界レベルで考えられる人

世界にも、「おもしろくて、ためになる」テーマを発信し続けている講談社が求めるものは、世界レベルのおもしろさともいえます。重要なのは既存の枠にとらわれず、世界のだれかも「おもしろい」と思えるような仕事をすることです。情報の発信源であるゆえに、日常の情報収集も欠かせません。どんなおもしろさを発信したいのか、自分ならではの考えを持つようにしましょう。



4.まとめ

講談社は創業100年以上の歴史がある出版社ですが、時代の波に乗って成長をしてきた企業です。業界の代表的な存在ゆえに、難易度が非常に高めといえますが、興味がある人は早めに対策を練っておきましょう。対策の1つは読書です。なぜなら講談社の新入社員の半数以上が、「学生時代にもっと本を読んでおけば・・・」と、思っている現実があるからです。幅広い分野の本に触れることは、就活でもきっと役立つはずです。さらに講談社に興味があるなら、自分ならどんな「おもしろくて、ためになる」本やサービスを作るだろうかということを、意識してみるとよいでしょう。