寒い季節の就活にコートは必須アイテムですね。では、就活用のコートをどのように選ぶことができるでしょうか?そもそもコートを選ぶ必要などあるのでしょうか?確かに髪型やスーツほど面接官に直接的な印象を与える分野ではありませんが、だからといって何でもよいわけではありません。コート選びも全体的なあなたの印象に影響を与えます。そして出来るなら良い印象を与えたいと思われることでしょう。いくつかのポイントを押さえていけば、効率よく選択肢を絞ってふさわしいものを選ぶことができます。また、ここではコートの畳み方など大切なマナーについても解説します。

就活生にふさわしいコートの選び方とは?

ポイントは3つあります。種類・色・素材です。他の持ち物についても言えることですが、コートについても就活やビジネスシーンでふさわしいとされている一定のルールがやはり存在します。ときには自分の好みと違うこともあるかもしれませんが、そうしたルールを意識できる人はまわりの見方を意識できる人です。限られたルールの中でうまく自分を表現できる方法を学ぶことは、社会の中で他の人と上手に生活してゆくのにきっと役立つでしょう。

コートにはどんな種類があるのか

コートの種類はさまざまですが、就活に適した形とはどのようなものでしょうか。男女を問わずステンカラーコートやトレンチコートは落ち着いたデザインのものが多くビジネスシーンに最適です。ステンカラーのカラーとは襟のことを意味します。襟を折り返して着るのが特徴です。飾り気のないシンプルな見た目です。トレンチコートのトレンチは塹壕(ざんごう)のことで、もともとは寒い地域で働く兵士たちのために考案されたことが、このコートの名前の由来とされています。肩にストラップが付いているのはその名残のひとつと言えます。また、腰の位置でベルトを締めて寒さを防ぐのも大きな特徴の一つです。ボタンを留めて(一番下は外しておく)きちんとベルトを締めるのが本来の着こなしです。ダッフルコートやモッズコート、ベンチコート(まず選ばないとは思いますが)はカジュアルな印象を与えるので避けるのが無難でしょう。女性もののコートにはファーが付いているものがありますが、これもやはりカジュアルな印象に映りますから、選択を避けるか取り外しが可能ならばそうしておきましょう。


何色が良いのか

どんな色のスーツをお持ちですか?就活のために選ぶスーツは落ち着いた色味のものでしょう。コートもそれに合わせてベーシックな色を選ぶなら全体の調和を保つことができます。具体的には濃紺やグレー系、明るい印象を出すならベージュも良いでしょう。もちろん黒でもOKです。後述しますが、コートは面接会場に入る前に脱いでしまうので、ほとんど面接官の目に留まることはないでしょう。それでもビジネスシーンにおけるベーシックな色を選んでおくなら、不必要に注意を引くのを防ぐことができます。コートは会場内では畳んでいることになりますが、このときには裏地が見えている状態になります。それで、裏地が派手なものも選ばないのが無難でしょう。

素材を選ぶ

これは形や色を考えるときとは違って、機能性や扱いに影響を与える項目です。ツイードのようなウール(羊)素材やカシミヤ(ヤギ)は防寒性が高く、ポリエステルやナイロンのような化学繊維を使ったものは撥水に優れ、軽さがあります。自分のニーズに合わせて選択することができます。カシミヤや軽くて暖かい、といった質の良い素材のものはたいてい値段も高くなりますから、予算も考慮に入れましょう。また、生地の厚みもポイントの一つです。畳みやすさに影響してくるからです。

そのほかに気をつけること

購入の前にまず試着されるでしょう。どうかスーツの上から着るものであることを忘れないでください。Tシャツ姿で試着してジャストサイズを選んでしまうと、実際のときには肩回りがパンパンに張ってしまうかデザインによってはきつくては腕が通せないこともあり得ます。スーツの上着を持参するか、お店で貸してもらい、その上から着てみましょう。肩周りがきつくないか確かめてください。ただでさえ緊張することの多い活動です。着心地の悪さが追い打ちをかけることのないようリラックスできるサイズを選びましょう。また、スーツの上着の裾がコートで隠れるかどうかもチェックしましょう。逆にあまりに長すぎるものも不格好ですので膝丈を一つの目安にしましょう。

ものによってはコートの内側にライナーと呼ばれる取り外しのできるベストが付いているものがあります。ライナー付きのものを選ぶなら冬にも春にも一着で対応できて便利です。当然ですが着脱によって少しサイズ感にギャップが出ます。

就活におけるコートのマナーとは?

ふさわしいコートを選んだのですから、扱いについても心得ておきたいですね。コート選びはお店で行いますが、コートのマナーは現場でものを言う技術です。前もって練習しておきましょう。では、コートを脱ぐタイミング、どのように畳むのか、面接中の扱いについて見てゆきましょう。

■入口で脱ぐ

コートは会場の手前で脱ぎます。会社に入るとき、受付をするときにはすでにスーツ姿になっている、ということです。逆にコートを着るのは会場を出たあとにしましょう。大雨など、天候によってはそうできない場合もあるでしょう。そういうときは雨を避けられるところまで入ってから手早く脱ぎます。柔軟性に対応しましょう。

■脱いだコートは畳んで手に掛ける

どうやって畳めばいいのか、と思われるかも知れません。まずコートの内側を自分のほうに向けます。次に両肩の部分に手を差し入れて、肩と肩を合わせるようにします(当然コートの内側が外に、外側が中にくるりと折り込まれるような格好になります)。片方の手はキープしたまま、もう片方の手をそっと抜いて襟の中心部分を軽くつまみ、きれいに縦に半分折にします。肩に入れていた方の手を抜いて、その腕にコートを掛ければ完成です。実際にやってみるとなかなか難しいですから、ぜひ練習して臨んでください。この方法はスーツの上着を畳むときにも活用できます。(ただしあまり長時間は皺の原因になりますから、気を付けましょう)。

■面接中はカバンの上に置く

面接中はどこに置いておけばよいでしょうか。椅子にコートを掛けることは避けましょう。まずはカバンを椅子の近くに置きます。そして、腕に掛けているコートを三つ折りか四つ折りにして自分のカバンの上に置きます。コートの畳み方とともに練習しておきましょう。少しコツがいりますが、一連の動作として出来るようになれば基本的なマナーを知っている人として見てもらうことができます。それに実際に社会人になってから取引先などに出向く際にも活用することのできる技術です。

まとめ

いかがでしたか。コートの選び方と扱うときのマナーについて考えることができました。選ぶときは種類・色・素材に注意を払いましょう。一定のルールがありますが、その中でおしゃれを楽しむことができます。マナーについては、コートのまま会場に入っていかないように気を付けましょう。畳むときの所作がスムーズであればそれも一つのアピールです。慌てる必要はありませんので、自分を落ち着かせる時間だと思って無駄なく丁寧に行いましょう。