ファッションが好きな人は1社でもアパレル業界を受けて見ようと考えた事があるのではないでしょうか。アパレル業界と一口に言っても、洋服を扱っている企業もあれば、小物を扱っている企業もありますし、メーカーもあれば小売店もあります。このようなアパレル業界において就活生に人気の企業をピックアップしてその特徴をお伝えします。

学生に人気のアパレル企業は?

まず、学生に人気のアパレル企業についてピックアップします。2017年4月の東洋経済が発表した「最新版!「就職人気ランキング」トップ300社」にランクインしたアパレル企業についてお伝えします。

92位:タキヒヨー
hiromichinakanoやEDWINなどのライセンスブランドの製造・販売を行っている企業で東証一部に上場しています。
アパレルの製造・流通はもちろんの事、服地素材の製造なども行っており、アパレルメーカーや商社に販売しています。また、不動産事業や喫茶店の経営など幅広い事業展開を行っています。

133位:ワコール
ワコールやウイングなどのブランドを展開している下着メーカーです。売上約2000億円で下着メーカーとしては国内最大手です。
商品開発の為に人間の体の動きや体型からあるべき下着の形を研究する人間科学研究所という研究部門を社内に保有し、下着に関する基礎研究にも力をいれています。また、2008年にピーチ・ジョンを完全子会社化し若年層のマーケットでもシェアを高めています。

就職ランキングは金融や電機メーカー、インフラなどの有名企業がどうしても上位にランクインする傾向にあるので相対的にアパレル企業は少なくなっていますが、もちろんトップ300社にランクインしていなくてもアパレル業界志望者にとって注目の企業はこの他にもたくさんあります。例えば売上規模で見れば、約1.7兆円のファーストリテイリングや約5700億円のしまむらが有力企業としてあげられます。しかし、この他にも就活生が知っておくべきアパレル企業はあります。

オンワードホールディングス
組曲、五大陸、23区などのブランドを展開している企業です。ホールディングスとしてまとめて新卒採用は行っていないのでグループ各社に個別に応募する必要があります。
グループにはアパレルの製造、卸売を行うオンワード樫山、制服などをメインに扱っているオンワード商事、ダンス用のアパレルを製造・販売しているチャコットなどがあります。

アダストリアホールディングス
グローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファームなどのブランドを展開している企業で2013年にアパレル企業のポイントとトリニティアーツが合併して誕生しました。
ファッション専門学校の2017年度卒業予定者を対象とした繊研新聞社の就活意識調査で人気1位となった会社で平均年齢30.2歳と若手が中心になっている企業です。ユニクロのように製造から小売りまで一括して行うSPA方式を採用しています。

以上のようにアパレル業界の企業のうち4社をピックアップしてお伝えしました。他にも、オンワードと並んでアパレルの輸入や卸売で大きなシェアを獲得しているワールドやスーツに特化している青山商事など様々な企業が有力な就職先として考えられます。

アパレル企業の選考フローと対策

企業によって選考フローは多少異なりますが、基本的にはエントリーシートを提出し、テストを受けて、何回かの面接を経て採用という形になります。アパレル業界だからといって特殊な選考があるわけではありません。ただし、服装と志望動機の書き方についてはちょっとした注意が必要です。

まずは服装です。就活は基本的にリクルートスーツで行いますが、アパレル業界の一部の会社ではエントリーシートの写真や面接時などに私服になる事を求められる場合もあります。この時にどのような服を着ていくかには注意が必要です。
どこの業界でも最低限求められるレベルとして清潔感のある服装で面接に臨むのはもちろんのこと、私服を見て志望者のセンスが自社ブランドと一致しているかを確認されている可能性があります。面接で着る服を全て志望先企業のブランドで固める必要はありませんが、コーディネイトのテイストは志望先企業の取り扱いブランドに合わせておいた方が良いでしょう。

このように私服については注意するべきではありますが、単にビジネスカジュアルな会社の可能性もあります。例えば、レディースブランドを展開している会社で男性で営業志望の場合などはどのような服装で面接に行くかについてあまり深く考える必要がありません。「面接は私服でお越しください」と言われた時にただビジネスカジュアルで仕事をしている会社なのか、それとも私服のセンスを見たいのか、意図を考えた上で行動してください。

次に注意したいのが志望動機です。アパレルという普段の生活に密着している商品だからこそ志望動機の内容1つ取っても差が付きやすくなります。なぜアパレル業界の中でもその会社なのかという事をきちんと説明する必要があります。
この時にただ単にそのブランドが好きというだけでは十分面接官を説得できません。業界、企業分析をしっかり行った上で、他のブランドと比較して志望している企業のブランドにはどのような魅力があるのか、自分はそのブランドのどのような点が好きなのか語る必要があります。


アパレル企業のインターン内容と参加のメリット



アパレル企業を志望する人はインターンシップに参加した方が良いでしょう。というのもアパレル業界は生活者の目線だけでは見えない事が多いからです。
実際に服を販売している店舗には正社員はほとんどいません。一店舗につき店長と数人は正社員がいるかもしれませんが、大部分の人はアルバイトです。実際に正社員として就職すると多くの人は商品の企画、営業、マーケティング、流通の手配など生活者に見えない部分でアパレルと関わる事になります。このように普段目に見えないアパレルの仕事について理解するためにインターンは非常に良い機会だと言えます。

例えば、先ほど説明したタキヒヨーでは3日間の繊維商社の営業職を体験するワークショップを行っています。1日目企業紹介、マーケットリサーチ、2日目オリジナル企画ワーク、3日目商談模擬、社員懇親会と普段の生活では中々分からない繊維商社の営業職が何をやっているのかがわかります。

また、先ほど説明したアダストリアでは接客インターンシップと店長インターンシップという2つのプログラムを用意しています。特に店長の業務はアルバイトのマネジメントや商品の管理、売上促進など多岐に渡り、ただショップでアルバイトをしているだけではわかりにくい業務の内容についての知識が得られると考えられます。

両者とも特にインターンに参加することによって、その後の本選考で有利な待遇になるという事は無いようですが、企業研究の為の情報は増えるので選考を受ける際に大きなアドバンテージにはなります。

まとめ

アパレル業界ほどよく業界、企業研究を行った方が良い業界はありません。
普段の生活者の目線ではブランドが基準となっていますが、実際に働く場合、ブランドはメーカーが保有している1つの商品カテゴリーに過ぎません。1つの会社で複数のブランドを保有しているのが一般的なので、会社とブランドの対応はきちんと調べる必要があります。また、メーカーなのか卸なのか小売なのか、それとも服地を扱うのか商流のどのポジションの会社かによっても働き方は変わります。
ただ人気だと言われている企業を受けるのではなく、説明会やインターンシップなどに参加して積極的に情報を集めるようにしてください。